白日青春 ー生きてこそー

原題「白日青春」。英語タイトルは「The Sunny Side of the Street」。オンライン試写にて。昨年の金馬奨の最優秀主演男優賞(黄秋生)、同新人監督賞(劉國瑞)ほか受賞作。大阪アジアンで見られず残念に思ってましたが、公開が決まって良かった。監督の劉…

ポトフ 美食家と料理人

原題「The Pot-au-Feu」。カンヌ映画祭最優秀監督賞受賞作。先の東京国際映画祭ではガラ・セレクション部門で上映され(タイトルは「ポトフ」)、トラン・アン・ユン監督夫妻とブノワ・マジメルのゲスト来日情報にテンションぶち上がりながらも都合により見…

燈火(ネオン)は消えず

原題「燈火闌珊」。本格的にはまった90年代初頭から何度行ったかわからない(単に数えてないだけ)自分にとって初めて降り立った80年代半ばの香港で何より目をうばわれたのはご多分にもれず尖沙咀界隈のネオンの洪水でありました。現在は安全上の理由で撤去…

海街奇譚

原題「海洋動物」。オンライン試写にて。19年のモスクワ国際映画祭で審査員特別賞を獲った、中国の張弛監督による19年の長編デビュー作。失踪した妻の故郷である小さな島へ、俳優だという中年の男がやってくる。信仰されている仏頭がなくなって以来、海へ出…

市子

オンライン試写にて。同棲中の恋人・長谷川からプロポーズを受け、幸せいっぱいに見えた市子。だが彼女はその翌日に姿を消した。市子を探す長谷川の旅は、市子の過去をひもとく旅になっていく。。戸田彬弘監督が自らの舞台劇「川辺市子のために」を映画化。…

梟ーフクロウー

オンライン試写にて。李氏朝鮮第16代国王・仁祖の時代、人質として清国に送られていた長男の世子が8年ぶりに帰国するが清を憎む父王と友好派の世子は意見が合わず、ほどなくして世子が怪死をとげた、という謎多き史実をベースに描く緊張の王宮クライム・サ…

翔んで埼玉〜琵琶湖より愛をこめて〜

埼玉県内の劇場にて鑑賞。地元の劇場とそれ以外とでは場内の受けがちがうと聞いていたのでちょっとだけ遠出しましたが、確かにいろいろ客層とか人の入りとかきっちり期待感を高めてくれる環境で見られて正解だった感。関東圏を飛び出して関西へ舞台の半分以…

ディス・マジック・モーメント

昨日劇場にて。旅する映画監督、シネマドリフターことリム・カーワイ監督が拠点の大阪をスタート地点に、沖縄から北海道まで全国の個性的なミニシアターを訪ね歩いて再び大阪でしめくくるインタビュー・ドキュメンタリー。東京に住んでいるとなかなか実感し…

劇場にて。なるほどこれはネットのレビューで見かけたとおり戦国版「アウトレイジ」。全員悪人とは言わないが全員ヤバい奴らの生き残りゲーム、面白かった! R15なのは首斬りシーンが多いからかと思ったらそれはそれで実際多かったけど衆道の方もどうしてど…

黒衣人

中文原題「王西麟」。英語タイトルが「Man in Black」。一昨日FILMEXにて。王兵監督作品はニッポンで紹介されたものはたぶん全部見ていてその都度作品のとてつもない強度はもちろん、このような監督が出現し、かつ成功し、コンスタントに新作を発表している…

川辺の過ち

原題「河辺的錯誤」。昨日FILMEXにて。「活きる」「血を売る男」の余華による同名小説を原作に、21年に同じくFILMEXで「永安鎮の物語集」が上映された魏書鈞監督が16ミリフィルムで映画化。まだあと1回上映があるので内容は書かずにおきますが「永安鎮〜」…

枯れ葉

試写にて。一度は引退宣言したアキ・カウリスマキ監督のしみじみと嬉しい復活作。自分はこのベテラン監督の作品を数えるほどしか見ていない末端のファンですが、とりわけ「ル・アーヴルの靴磨き」(11)が大好きで、今回その延長線上に新たな傑作が舞い降り…

ゴジラ-1.0

劇場にて。公開開始後しばらく様子見?していて出遅れましたが、大画面&大音響で見て本当によかった。とにかくVFXと音響がすばらしくて、これは配信とかでなくやっぱり劇場で見なきゃです。さすがVFXの第一人者・山崎監督です。しかもちょうど日比谷の映画…

緑の夜

原題「緑夜」。オンライン試写にて。ベルリン映画祭でワールドプレミア、先月のTIFFでジャパンプレミアとなった、中国の韓帅監督が中国の范冰冰と韓国のイ・ジュヨンを主演に迎えて韓国を舞台に撮った香港映画。という組み合わせの越境感からしてかっこいい…

稽古

護身クラス@I道場。しーふーいわく「常に正中線で動く。それが一番強い。正中線からはずれると力を損する」「物理的次元では形が大事。正しい形でやれば技が効く。考えることも必要。考えて考えて考えたあとに考えることを忘れたら気の次元」「縦軸と横軸を…

シャクラ SAKRA

原題「天龍八部之喬峰傳」。オンライン試写にて。金庸の傑作大長編「天龍八部」からメインキャラの筆頭である喬峰(のちに蕭峰)を単独の主役とし、我らがドニー甄子丹が製作(王晶と共同)・総監督・主演をつとめた王道の武侠映画。なっがい原作のハイライ…

メンゲレと私

原題「A BOY`S LIFE」。オンライン試写にて。「ゲッベルスと私」(18)「ユダヤ人の私」(21)に続く、クリスティアン・クレーネス&フロリアン・ヴァイゲンザマー監督によるホロコースト証言シリーズ3作目にして最終作となるドキュメンタリー。本作の登場…

稽古

特別講習会(合宿)@c県某宿泊施設。しーふーいわく「転換はかかとから入って完全に片足重心に。それで相手をはじく」「消力法は消すという字を使っているが、相手の力を消すというより相手の力をもらってそれを返すこと」「どこの流派がいいとかでなく流派…

雪豹

まだ続くTIFF振り返り。そろそろ終わりますが今年はほんとに好きな作品ぞろいでラッキーでした。表題作(原題同じ)は今年5月に53歳で急逝されたチベット映画の第一人者ペマツェテン監督の、亡くなる少し前に完成したという23年作品。羊を何頭も殺した野生…

Old Fox

中文の原題「老狐狸」。先日TIFFにて、今月末の台湾公開にさきがけてワールドプレミアを飾った蕭雅全監督(「台北カフェ・ストーリー」)の新作で、1989年の台湾を舞台に倹約と貯金にいそしむ実直なシングルファーザーと“勝ち組”の特権に気づいてしまった多…

西湖畔に生きる

原題「草木人間」(ここでいう人間は世間の意。じんかん)。英語タイトルは「Dwelling by the West Lake」 。先日TIFFにて。龍井茶の産地で知られる杭州市・西湖のほとりの町を舞台に、マルチ商法にはまったシングルマザーと母の変わりように苦悩する息子の…

「年少日記」「成功補習班」

いずれも原題同じ。先日TIFFにて。香港映画「年少日記」は脚本家出身の卓亦謙の監督デビュー作(脚本も兼務)で、息子たちのエリート教育に余念がない両親の期待に添えず父親に折檻され母親にはやさしくしてもらえず精神的に追い詰められていく兄と、それを…

平原のモーセ

原題「平原上的摩西」。先日TIFFにて。香港映画上映イベントたけなわな今日このごろですが、すでに終了したTIFFで印象に残るものを遅ればせながらいくつか補足します(orするかも)。表題作は同名の原作小説をTVドラマ化した23年の作品で、「鵞鳥湖の夜」の…

マッド・フェイト

原題「命案」。香港映画の新しい力 Making Wavesにて。鄭保瑞監督が「リンボ」に続き林家棟とタッグを組んだ最新作は、期待にたがわずマッドでした(もちろん褒めてます)。お祓い系のマッドな主人公と刃物系のマッドなサイコキラーの組み合わせがマッドな上…

稽古

護身クラス@I道場。しーふーいわく「力で引っ張るな。相手の力が来てしまう」「感覚は経験と時間をかけて磨いていくもの。いっぺんにたくさんやると身体に反発が出る。少しずつでも毎日やること」「筋肉を伸ばして関節は全部ゆるめる。特に股関節」

耳をかたむけて

原題「不虚此行」。TIFFにて。脚本家の道をあきらめて葬儀場の弔文ライターをしている男が、見知らぬ故人たちの弔文を書くため関係者の話を聞く中でさまざまな人生に触れていく、北京電影学院で教鞭をとる女性監督・劉伽茵の新作。インディーズ系というかア…

ミス・シャンプー

原題「請問,還有哪裡需要加強 」。TIFFにて。今年7月に台湾で公開されたばかりの九把刀監督作品。中文タイトルは日本でなら美容師が問いかける「かゆいところはございませんか」的なニュアンスかと。物語は、美容院の万年シャンプー係(宋芸樺)とたまたま…

満江紅

先日TIFFにて。悲劇の英雄・岳飛亡きあとの南宋で権力をほしいままにする宰相・秦檜との会談前夜に金の使者が何者かに殺され、奪われた密書をめぐって一人また一人と関係者が死んでいく。。今年1月に中国で公開された張藝謀監督のヒット作を大スクリーンで…

毒舌弁護士

原題「毒舌大状(毒舌律師とも)」。一昨日劇場にて。今年の旧正月に香港映画歴代トップ興収をたたき出した話題作を同じ年のうちに日本語字幕付きで見られるありがたさよ。主演の黄子華(自分の中ではダヨ・ウォンというよりウォン・ジーワー)はスタンダッ…

ロングショット

原題「老槍」。TIFFにて。90年代半ばの中国・東北、経営不振で盗難が相次ぐ工場に勤める元射撃選手で警備員の主人公(名優・祖峰)と盗難グループの一人の青年(新鋭・周政杰)との擬似親子関係を中心に描く社会派クライム映画。90年代後半の地方を舞台に国…