2018-11-01から1ヶ月間の記事一覧

轢き殺された羊

こと原題「撞死了一只羊」。先日FILMEXにて鑑賞。王家衛プロデュース、ペマ・ツェテン監督という異色の組み合わせがまず興味をひかれるところで、だからと言って王家衛の影響とか「らしさ」を感じるかどうかは人それぞれだし感じなければいけない理由もなく…

ロング・デイズ・ジャーニー、イントゥ・ナイト

こと原題「地球最後的夜晩」。先日FILMEXにて鑑賞。長編デビュー作「凱里ブルース(路邊野餐)」で一躍脚光を浴びた89年生まれの俊英・畢贛監督の2作目は今回も浮遊感に満ちた長回しが観る者を夢幻(無限的でもある)世界にトリップさせるマジカルで詩的な…

おかえり、ブルゴーニュへ

先日劇場にて鑑賞。ワインラバー(呑むだけ。知識レベルは万年初心者)としては外せない気がした1本。醸造農家に生まれ子供のころからワインの英才教育を受けて育った3人の兄妹が、大黒柱の父を失ったのち後継問題や重い相続税など様々な問題に直面する。…

象は静かに座っている

こと原題「大象席地而坐」。先日FILMEXにて観賞。事前に自分が知っていたのは監督の胡波がこの長編デビュー作を完成した後に29歳の若さで自殺したこと、そのためこれが遺作ともなってしまったこと。後に世に出て高く評価され、先の台湾金馬奨では最優秀作品…

ボーダーライン ソルジャーズ・デイ

劇場にて観賞。前作「ボーダーライン」もすごかったけど今回はさらにすさまじい展開にトリハダたてつつジョシュ・ブローリンとベニチオ・デル・トロ演じる2人の主人公のいずれ劣らぬ戦闘能力とメンタルの強さと血も涙もある(泣かないけど)男気にしびれっ…

サイゴン・ボディガード

ベトナム映画祭とFILMEXが終了し、感想文を書けてない作品を全部ではないですが思い出しながらぽつぽつあげていきます。表題作は昨年のカリコレで見逃して残念に思っていた、「太秦ライムライト」の落合賢監督がベトナム映画界に呼ばれて撮った2016年のベト…

アッシュ・イズ・ピュアレスト・ホワイト

こと原題「江湖児女」。FILMEXにて観賞。タイトルから任侠映画的な作品を期待していたくらいであとは何の先入観も前知識もなく観ましたが、うん、これは確かに任侠映画と言ってもいい、というか一般的なイメージにおける任侠映画とは若干ちがうけれど物語の…

自由行

昨日FILMEXにて観賞。政治的理由で中国に帰れないまま香港に定住して6年となる應亮監督自身の境遇と経験を色濃く反映(ただし主人公は男性でなく女性)した最新作。直接会えなくなって何年も経つ母娘が、かたや大陸からの団体ツアーで、かたや映画祭への参…

稽古

護身クラス@I道場。しーふーいわく「武道で守破離とは一般に師匠を超えることを言う。ただ僕としてはモノの次元を超えていくことだと思っている」「考えることは必要だけど頭で考えるだけでは分からない」「自分をゼロに。自分には力がないと思え。筋肉をや…

川沿いのホテル

FILMEXにて観賞。本映画祭もう1本のホン・サンス監督作品は今回もゆるぎなくホン・サンス作品でありつつひときわ軽やかでかつ深みがありしかも分かりやすい、ちょっと驚くほどの名作。いつもどおりのホン・サンス・テイストなのだけれど本作は男女でなく男…

草の葉

FILMEXにて観賞。ベトナム映画祭2018で見た作品の感想を書き終わってないしまだ開催中ですがこちらの映画祭もたけなわで右往左往な今日この頃。表題作はおなじみホン・サンス監督の、例によって「酒と涙と男と女」ならぬ「酒とタバコと男と女」ってなおもむ…

仕立て屋、サイゴンを生きる

先日、ベトナム映画祭2018にて観賞。先の大阪アジアン映画祭上映時には日程が合わず今回初見。1969年のサイゴンで、代々続くアオザイ・テイラーの一人娘なのに伝統服アオザイには目もくれず西洋のファッションに夢中なヒロインが突然2017年にタイムスリップ…

稽古

特別講習会(合宿)@S県某宿泊施設。金馬奨と日程がかぶりネットで授賞式をちょっとしか見られなかったのは残念でしたがそれはそれとしてこの合宿は自分の中ではマストなのであります。しーふーいわく「相手と結ぶというのは方向性を合わせること。一つにな…

The Rebel 反逆者

ベトナム映画祭2018にて観賞。ベトナムのアクション映画の歴史を変えた作品であるとか、ものっすごく面白いという話は聞いていましたが、嬉しいかな期待以上で「マッハ!!!!!!!!」と出会った時のコーフンを思い出させるアドレナリン噴出的傑作でした。にして…

旅するダンボール

昨日試写にて観賞。なにごとにもマニアやコレクターや好事家はいるものですが、ダンボールに魅了されダンボールを求めて国内外をまわりダンボールとともに人生がある人というのはひょっとすると世界でただ一人かもと思わせる、そんなダンボール・アーティス…

ヴェノム

劇場にて観賞。予告編はさんざん見ていたけど実際観たら全然イメージ違っててびっくり。TWで見かけて「?」となった「ど根性ガエル」的な評価のわけがやっと分かりました。。いや、しかし、まさかの二人羽織コメディ(違)、しかもトムハが可愛すぎじゃない…

稽古

合気クラス@I道場。しーふーいわく「信じるとは、頭ですることでなく心でするもの」「開祖は創り出すのが役目。2代目、3代目はそれを継承するのが役目。でもだんだんずれていって、そのうち中興の祖があらわれる」「最初から中心にはいけない。曼荼羅も一…

バジュランギおじさんと、小さな迷子

試写にて観賞。父親の友人をたよってデリーに出てきた超がつく正直者で信仰心のあつい男が口のきけない迷子の幼女を保護し、身元が分からず難儀する。やがて少女がパキスタン人だったことが分かり、彼女を親元に届けたい一心で男はビザがおりない状況でパキ…

十年 Ten Years Japan

先日劇場にて観賞。香港の若手監督5人によるオムニバス映画「十年」(15)が深刻な世相の反映とメッセージ性でその年の話題をさらったのをきっかけにアジア各地で動き出した「十年」プロジェクト。先だってはTIFFにてタイ版「十年」が上映され、表題作は目…

ボヘミアン・ラプソディ

劇場にて観賞。終盤、予想はしてたけどこれでもかとばかりに泣かせにきて、そりゃ泣きますよ、ええ。六畳一間の下宿時代(遠い目)にカセットテープで(爆)聴きまくったクイーンの映画ですもの、ええ。 公式サイトはこちら。

中国インディペンデント・ドキュメンタリー 上映会のお知らせ

告知です。専修大・土屋先生からお知らせをいただきました。恒例の「目撃!中国インディペンデント・ドキュメンタリー」第10回の上映会が下記のとおり開催されます。入場無料・予約不要。お時間と興味のある方はぜひお運びください。 中国の「エイズ村」の壮…

家族のレシピ

先日TIFFにて鑑賞。まだちょっと先ですが3月にニッポン公開予定なので詳しくは書かずにおきます。すごく素直な映画であり、予想どおり(なので事前にちゃんと食べてから行った)ものすごく見ていてお腹のすく映画。鬼才と呼ばれるだけあってエリック・クー…

狂獣 〜欲望の海域〜

劇場にて鑑賞。タイトル負けしないどころか期待以上のクレイジーなキャラ炸裂なマックス張晋版俺様映画。「SPL」インスパイアっぽい野獣刑事とワイルドすぎるショーン余怪演の海の男のガチ対決にからむ久しぶりに香港アクション映画モードな太保、ヒゲがない…

search/サーチ

先日劇場にて鑑賞。妻を亡くし高校生の娘と二人暮らしの主人公が、夜中の着信記録を残して消息が分からなくなった娘の行方をネットを駆使して探索する。ネットの向こうの広大かつ虚実入り乱れるデータの海の便利さと恐ろしさを同時進行で体感させられるスリ…

世界はリズムで満ちている

先日TIFFにて鑑賞。伝統打楽器ムリダンガムの職人の家に生まれたが家業に興味のなかった主人公が、第一人者の演奏に魅了され作り手でなくムリダンガム奏者を目指す、南インドを舞台にした音楽映画。打楽器は動物の皮を使うため作るのは不可触民で演奏は高い…

プロジェクト・グーテンベルク

こと原題「無雙」。昨日TIFFにて鑑賞。大陸で大ヒット中、かつ今回の映画祭での初回上映の評判も上々なのですんごく期待していました。果たしてすんごく面白かったけど、終盤でうわーーーとなって思わず噴きそうに。。これを「やられた!」と思うか「やっち…