ロングショット

原題「老槍」。TIFFにて。90年代半ばの中国・東北、経営不振で盗難が相次ぐ工場に勤める元射撃選手で警備員の主人公(名優・祖峰)と盗難グループの一人の青年(新鋭・周政杰)との擬似親子関係を中心に描く社会派クライム映画。90年代後半の地方を舞台に国営工場の保安員の暴発を描いた「迫り来る嵐(暴雪将至)」を中盤まで思い出させるものがありどんどん不穏さを増していく物語は、後半で別の方向へ舵を切って深刻なテーマでありつつ一気にノワール映画のカタルシスへとなだれこむ力ワザにテンション上がりまくり。これが初長編という高朋監督、なんと男前な作風でしょうか、ガチでしびれました。終映後には監督と祖峰、周政杰が登壇し、映画とはまた別のかっこよさにほれぼれ。