2020-01-01から1年間の記事一覧

おおつごもり

寒波襲来の年末となりました。 来年はもっと明るい話題が増えますように、良い映画とたくさん出会えますように、なによりも健康で過ごせますように。 みなさま、よいお年をm(_ _)m

極私的マイベスト2020

コロナに明け暮れた今年が早や終わろうとし、毎年勝手にやっているマイベスト映画(劇場、試写、オンライン、映画祭鑑賞を全部含む)を勝手に発表します。といっても去年のいまごろはこれでアンケート参加も最後かと思った映画秘宝さんがみごと復活して今回…

ディエゴ・マラドーナ 二つの顔

オンライン試写にて。先月末に60歳で亡くなったサッカー界のレジェンド、マラドーナの栄光と転落のドキュメンタリー。サッカーについては門外漢の自分なので彼の活躍や波乱の人生をよく知る人とは映画から見える景色というか思いの度合いがだいぶ違うかもし…

声優夫婦の甘くない生活

こと原題の英語タイトル「Golden Voices」。劇場にて。1990年、旧ソ連で声優として活躍した初老の夫婦が移民先のイスラエルでも声優の仕事を探すがうまくいかず、妻は夫に内緒でテレホンセックスの仕事で稼ぎ、夫はロシア語の海賊版ビデオ屋で吹き替えを始め…

新 感染半島 ファイナル・ステージ

劇場にて。前作で原題「釜山行き」が「新感染」という邦題になったのは当時ぐぬぬと思ったんですが今回続編の原題「半島」がこの邦題なのは続き物としてなかなかいい感じに考えたなと。今回は前作から4年後という設定で、韓国は結局全土壊滅状態になってし…

ハッピー・バースデー 家族のいる時間

オンライン試写にて。緑にかこまれた瀟洒な邸宅に、カトリーヌ・ドヌーヴ演じる母親の70歳の誕生日を祝うため集まった三世代の家族。が、そこへ長らく音信不通だった長女が突然戻ってきたのをきっかけにさまざまなトラブルが起こり始め…。ハッピーなタイトル…

ワンダーウーマン1984

劇場にて。久しぶりにIMAXで観るアクション大作、大いにたんのうしました。ワンダーウーマンなガル・ガドットが超絶美しいしシルク・ド・ソレイユにインスパイアされたというダイナミックなアクション設計もすばらしく綺麗だしで、贅沢感満載の画作りはさす…

ヤクザと家族

オンライン試写にて。「新聞記者」の藤井道人監督による、疑似家族的なヤクザ世界とその家族たちの葛藤や悲哀を描く、ひと味ちがうヤクザ映画でありヒューマンドラマ。綾野剛、舘ひろしをはじめ役者陣の過不足ない好演があとからもじわじわくるいい味わいで…

天国にちがいない

こと英文の原題も「It Must Be Heaven」。試写にて。先のフィルメックスでスレイマン監督作が特集上映されたさいは1本も見られずじまいでいろいろ遅きに失した感のある自分としてはこれが初エリア・スレイマン作品。イスラエルに住むパレスチナ人である監督…

バクラウ 地図から消された村

劇場にて。水源がなくよそからトラックで水を運んでこなければならないブラジルの片田舎バクラウで、農場の一家が惨殺された。同じころ村はずれに住む老人が小さなUFOのようなドローンが飛んでいるのを目撃し、ネット地図から村の存在が消え、携帯の電波が来…

新解釈・三國志

劇場にて。予告編は何度も見ていて、こんな感じなの? と思っていたらそんな感じでした。新解釈そのものは楽しくて赤壁の戦いに至るざっくりとした経緯もわかりやすくとりわけ賀来賢人の周瑜はめっちゃ笑った。。。のですが全体的には普通に面白かったです(…

カポネ

オンライン試写にて。実はアル・カポネが大物ギャングなのは知っていてもどんな人生を送ったのかはわかってなくて晩年は梅毒の影響で認知症が進んでいたことを今回初めて知った自分です。映画は現実と妄想を行き来するカポネの深層心理に迫りつつ、彼の面倒…

稽古

合気クラス@I道場。しーふーいわく「力は入れるのでなく、こめるのでなく、浸透させる」「手で引っ張るな。手は筋肉を伸ばしたまま、あとは中心で動け」「どの動きも1つ1つ次の動きのためのもの。全部、常につながっている」

日子

東京フィルメックスのオンライン上映にて鑑賞。「河」のときの首の痛みが治らないのか別件なのか首まわりがつらそうな小康が鍼灸院(?)に行ったり、オイルマッサージの施術を延々と受けて2人の濃密な触れ合いもあったり、そのマッサージ師が自宅で料理を…

チャンシルさんには福が多いね

試写にて。先の大阪アジアン映画祭で上映されたのち、レスリーが、レスリーが、とSNSがにぎわっていたのですごく気になっていた作品。ちなみに大阪アジアンでは「チャンシルは福も多いね」とのタイトルだったのが公開タイトルは表題のようになり、「も」と「…

ホモ・サピエンスの涙

先日劇場にて。ショートショートのような映像に、しばしば「〜〜を見た」というナレーションが入るほのかに滑稽でひっそりと切ない禅問答のような人生の断片集。その数々を「見た」主体はもしかして神の目線なのか、それとも故マノエル・ド・オリヴェイラ監…

稽古

武器法クラス@I道場。しーふーいわく「納刀は刀を見ながらでなく遠山の目付けで全体を見ながら、いつでもすぐまた抜けるように」「正中線と切っ先と柄頭が常に一直線上にあること」「体を使って心を磨け」

罪の声

先日劇場にて。84~85年にニッポン中を震え上がらせ自分も日々TVや新聞で見ていたグリコ・森永事件がやがて時効になり、迷宮入りしてしまい、いつしか自分の中でも記憶がすっかりうすれていたことそれ自体に軽いショックを覚えてしまった、骨太の犯罪ミステリ…

相撲道 ーサムライを継ぐ者たちー

劇場にて。前半は境川部屋、後半は高田川部屋に肉薄取材したドキュメンタリー。冒頭から見ているこちらが骨折し脳震盪になりそうな、いみじくも妙義龍が「毎日が交通事故」と形容した肉弾相打つ稽古風景のド迫力に一気にひきこまれ、監督のおごりで30数名の…

国葬

劇場にて。53年3月に行われたスターリンの国葬当日の様子を全国各地で撮影しプロパガンダ映画となるはずだったらしいが日の目を見ずのちにウクライナで大量に発見された幻のフィルムが、ベラルーシで生まれウクライナで育ち現在はベルリン在住のセルゲイ・ロ…

海が青くなるまで泳ぐ

こと原題「直游到海水変藍」。FILMEXのオンライン配信にて。趙涛プロデュース、賈樟柯監督による、「文学者たちへのインタビューを通して近代中国のこの70年の変遷を描いたドキュメンタリー」(映画祭公式サイトの紹介文より)。全18章のユニークな構成でつ…

おらおらでひとりいぐも

劇場にて。ふだんあまり前知識なく映画を観ることの多い自分ですがさすがに今回は原作小説を読んでおります。にしてもあのすごい原作が、「せいめいのれきし」か!?と意表をつくアニメや「寂しさ1」とか「どうせ」といった愉快すぎる役名で具現化された脳内…

藁にもすがる獣たち

オンライン試写にて。曽根圭介著の同名小説を原作とし韓国を舞台におきかえた、チョン・ウソン、チョン・ドヨンを筆頭にペ・ソンウ、ユン・ヨジョンら安定感抜群の面々が送るクライム・ミステリー。それぞれの事情でがけっぷちに立たされた男女が大金をめぐ…

夏、至るころ

先日オンライン試写にて。一人は進路を決めて勉強に打ち込み、一人は進路を決めかねてどこかちゅうぶらりん、そんな親友の男子2人の高校最後の夏をおだやかな時間の流れの中で描いた、96年生まれ、池田エライザの監督デビュー作(原案も)。鮮烈でありつつ…

KCIA 南山の部長たち

オンライン試写にて。朴正熙大統領暗殺事件を正面から描き、イ・ビョンホンの百想芸術大賞主演男優賞受賞や次の米アカデミー賞国際長編部門の韓国代表に選ばれるなど期待値抜群の話題作。事実にもとづくフィクション、とのことで偶然とはいえ信長殺害という…

稽古

合気道特別講習会(合宿)にて。半年ぶりくらいにお会いしたしーふーいわく「最初から感覚ではやれない。最初は論理的にやる。それで方向性がわかる。方向性がわかればあとはその方向へ進む。ゆっくりでもいいし早くてもいい」「ストップするところと伸ばす…

ミッション・マンガル 

サブタイトルが「崖っぷちチームの火星打ち上げ計画」。先日試写にて。このサブタイトルでほぼほぼ察しがつくと思いますが(火星を打ち上げる?と一瞬考えるかもですがそれはともかく)アジアで初めて火星探査機の打ち上げに成功したインドが送る実話ベース…

チンパンジー属

先日東京国際映画祭にて。ラヴ・ディアス監督作品は(遅ればせながら)6年前にこの映画祭で約5時間の作品を休憩なしで観てなんとなく自信(?)がついて以来長編はひととおり観てきて、今回は意外にも157分ということでがんばって観終えようという気負いも…

恋唄1980

こと原題「恋曲1980」。先日東京国際映画祭にて。「天安門、恋人たち」など婁燁監督作品の名脚本家として知られ「不成問題的問題(ミスター・ノー・プロブレム)」で監督デビューした梅峰の長編第2作。冒頭、おなじみのドラゴンマークが出なかったのでイン…

陰謀の渦

こと原題「鋌而走険」。先日、2020東京・中国映画週間にて。原題は追い詰められて危険な行動に出るとか破れかぶれになるというような意味で、ギャンブルで借金がかさみにっちもさっちもいかなくなった主人公が盗難車の転売で稼ごうとして幼い少女の誘拐事件…