密輸1970

劇場にて。リュ・スンワン監督作品は常に楽しみにしていて常に楽しく見てるんですが本作が現時点でマイベスト。アクションの痛快さとカタルシスも過去最高レベルで、クライマックスでは脳内応援上映モードに。見た目万年青年のようでキャリア的には十分ベテランなスンワン監督、いい意味で老成してきたというか、めずらしく女性映画であるためかギラギラ感たぎる中にも軽みと彩りが加わったのが良かったのかな。実話から着想を得た物語というのにはびっくりでしたが、70年代の軍事政権下で外国製品の密輸ブローカーが暗躍し、海に沈めた荷物を海女さんがもぐって取ってくるという裏技が行われていたもようです。ローカルヤクザと都会のブローカーと権力の塊である税関と怒れる海女さんチームが4すくみで対立する予断をゆるさないストーリーといい、チョ・インソンブルース・リーが斜め上から降りてきたような大タチマワリといい、とくにキム・ヘスとヨム・ジョンアをはじめ海女さんたちの水中シーンはこちらまで息をつめたくなるリアリティで(といっても自分は30秒くらいでどざえもんになりそう)、かつてない海洋アクションというだけでも必見の面白さ。コリアン演歌というのか、きっと韓国の人たちならなつかしさで胸いっぱいになるのだろうなと思わされる歌謡曲が全編で流れるのもグッときました。

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キングダム 大将軍の帰還

昨日の初日に劇場にて。ロード・オブ・ザ・リングかバーフバリかというド直球でアガるサブタイトルそのままにド直球でアゲまくってくれる堂々たるシリーズ最終章。とにかく全方位的に王騎将軍最高。大沢たかお最高。もちろんアクションの仕上がりもガチ。他にも見せ場は多々あれど少なくとも今回は総力を結集して王騎将軍のために作られた映画としか。中盤からはもう頭ん中で王騎、王騎王騎!と太鼓をうちならしっぱなしの自分でした。

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モンキーマン

昨日試写にて。「あまりの面白さにジョーダン・ピールが“買い取った”復讐アクション超大作」とのキャッチコピーに大納得のアドレナリン噴出系バイオレンス映画。インド系移民の両親を持つイギリス生まれのハリウッドスター、デヴ・パテルが構想8年をかけた初監督兼主演作である本作は、もともと配信用に製作されていたのをジョーダン・ピールが「劇場で見てもらうべき作品だ」と自身の制作会社で買い取ったといういい意味でいわくつきの怪作にして傑作であり、猿神ハヌマーンをモチーフに、猿のかぶりものをした地下闘技場の殴られ屋が母を殺した人物を偶然につきとめリベンジに突き進む物語は往年の香港アクションの王道的展開にインド神話をミックスし「ジョン・ウィック」シリーズの近未来感やドニー・イェンばりの後ろ回し飛び蹴りや「燃えよドラゴン」愛を感じる某シーンの設定やさまざまなオマージュとリスペクトを盛り込んだハイレベルかつハイテンションなボリウッド風ハリウッド映画。今やハリウッドが香港映画だけでなくボリウッドを筆頭にインド映画全般に学ぶ(と言っていいですか?)時代なのだなぁと胸熱なものがありました。

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後継者

先日、IMWJ2024にて。三人の息子を競わせて後継者を選ぼうとする企業経営者の父親に反発し家を出ていった末息子が7年ぶりに屋敷に戻るが、同居する長兄一家と次兄一家を含め大家族の心はバラバラになっていた。。今回の特集上映はちょっと忙しくてヴィジャイ主演のこの1本を見たのみでしたが、期待を裏切らない面白さ! 前にも書いたけど自分はヴィジャイの良さが昔はよくわからなかった(すいません)のが1本見るごとに「待ってました大将!」な高揚感がマシマシに。一度はまると次からは条件反射的に「やっぱ大スターはオーラが違う」と全肯定できちゃうモードに入っております。お茶目で頼りになって足がなっがくてダンスがめちゃ上手くて喧嘩無双で頭脳明晰でロマンスのチャンスも逃さない、ようするにみんな(?)が見たいヴィジャイがいっぱいな本作、「家族の四季」をちょっとだけほーふつさせるファミリードラマでもあり、みんな大好きヨーギ・バーブ(おっちゃんかと思ってたら85年生まれ!)も相変わらず和ませてくれました。

SALAAR/サラール

劇場にて初日かちこみ。「K.G.F」シリーズのプラシャーント・ニール監督が「バーフバリ」二部作のプラバースを主演に迎えた、「K.G.F」の世界観に「バーフバリ」の神話性を合体させた感のあるド超級アクション・スリラー。人間関係が複雑なので予習した方がいいという話は耳にしつつ例によってほぼまっさらでのぞみましたが誰だっけこれな部分も微妙にあったもののほぼ話が見えたつもり。。プラバースものとしては「サーホー」よりも分かりやすかった気がするんですがそれは「K.G.F」の凝りまくった編集に耐性ができていたからかも。そしてプラバースのダークヒーロー(というかほとんどモンスター)的キャラといったらケレン味たっぷりどころかケレン味しかないキメ絵の連続。はーーどこからどこまで濃かったです。それはいいけどエンディングでの「ななななな!?」感は、何も知らなかったので当然とはいえ(以下略)。

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稽古

護身クラス@I道場。しーふーいわく「暑いね。暑いときはなるべく少ない動きで、少ない力で最大限の効果を出す練習をするのにいい」「技は相手のツボをとりにいくわけではなく、正しいかたちで技をかければ結果的にツボをとっているということ」「姿勢を良くして筋肉をのばす。止めるところと伸ばすところをはっきりして、相手の中心をとらえる」

このろくでもない世界で

オンライン試写にて。家の貧困と義父のDVに苦しむ高校生の主人公が校内で暴力沙汰を起こして示談金を請求され、全額をたてかえてくれた裏社会の男のもとで働き始めるが。。閉塞感におおわれた地方の小さな町で心が死んだヤクザとなんとか生き抜こうともがく青年が予期せぬ運命へと突き進んでいく、本作で長編デビューを果たしたキム・チャンフン監督作。主人公を演じたホン・サビンは同じくこれが初の長編映画出演という気鋭の新人。この両者をバックアップするかたちで、「これは韓国映画界に絶対に必要なプロジェクトだと信じていたので、参加する機会をいただけて感謝している」と語るトップスターのソン・ジュンギ(相当にやさぐれたキャラなのだけれど突出した顔立ちのよさは隠しようがなくハードな展開の中でもそこだけうっとりしてしまうのであった)を筆頭に、チョン・マンシクやキム・ジョンスら名バイプレーヤがワキを固め、見ているだけで全治6ヶ月くらいの重症気分にもなる、これぞ韓国バイオレンス。圧倒的な絶望感のその向こうへとぐいぐい引っ張られていく心持ちでした。

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