緑の夜

原題「緑夜」。オンライン試写にて。ベルリン映画祭でワールドプレミア、先月のTIFFでジャパンプレミアとなった、中国の韓帅監督が中国の范冰冰と韓国のイ・ジュヨンを主演に迎えて韓国を舞台に撮った香港映画。という組み合わせの越境感からしてかっこいいのですが、実際期待以上の范冰冰とイ・ジュヨンの化学反応にグッとくる、ヒリヒリとした不穏さと突き抜けた疾走感とが交錯する女性映画の秀作。封殺状態だった范冰冰は本作が映画復帰作だそうで本国の娯楽大作に今後戻れるかどうかはともかく女優としてはむしろこうしたアートフィルムが本領発揮の場となるのではと思わせ、かたやイ・ジュヨンはもともとアートフィルムから頭角をあらわした実力派だけにカメレオン俳優的な逸材感にひときわ磨きがかかってちょっと感動するほど。偶然の出会いからのっぴきならない共犯関係になった二人の主人公が刹那的に愛し合うシーンは、監督が女性だからといっては安易すぎるかもしれないけれどとても自然で美しかった。

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