シャクラ SAKRA

原題「天龍八部之喬峰傳」。オンライン試写にて。金庸の傑作大長編「天龍八部」からメインキャラの筆頭である喬峰(のちに蕭峰)を単独の主役とし、我らがドニー甄子丹が製作(王晶と共同)・総監督・主演をつとめた王道の武侠映画。なっがい原作のハイライトの1つを約2時間のドラマにはしょりこんだ力わざはなかなかのもので(脚本チーム頑張った!)、英雄として尊敬されていた主人公が実は漢人ではなく敵対する契丹の出身だったことが分かった上に殺人のぬれぎぬを着せられ、誤解を解くすべもなく武林を追われていく物語は民族的・宗教的対立が繰り返される歴史や世相ともリンクして金庸作品のテーマ性をあらためて浮かびあがらせたりしつつ、それはそれとして今や世界的超級スターであるどにーさんのガチな武侠アクションを久しぶりにたっぷり楽しめるのがなにより嬉しい見どころです(アクション監督は谷垣健治先生!)。中国製の武侠アクションも昨今レベルアップしてますが、ワイヤーでぐんぐんと天翔けていくワイルど兄さんの迫力と映え感はさすがに別格。共演も徐小明、厳華、喻亢、袁祥仁、呉樾、惠英紅、呂良偉といった香港映画ファン・アクション映画ファンにはツボな面々が登場し、ヒロイン阿朱役の陳鈺琪のことはよく知らなかった自分ですがその妹・阿紫役の劉雅瑟は鄭保瑞 の「リンボ」でズタボロにされていたのとは対照的な負けん気マックスなキャラがお似合いでした。阿朱が変装の達人だったりとか前提を知らないと微妙なところがあっても勢いでついていけるので大丈夫(?)、お楽しみに。

ちなみに英語原題であり邦題のシャクラとは天龍八部(釈迦如来を守護する天龍八部衆)の上位の存在である帝釈天のことで、インドの戦いの神インドラの仏教界における姿だそう。で、まったくの余談ながら帝釈天といえば寅さんの柴又帝釈天。。妹のさくらは、もしやSAKRA?(ないない)

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