2016-11-01から1ヶ月間の記事一覧

MERU/メルー

先日試写にて鑑賞。公式サイトからの引用になりますが「ヒマラヤ山脈、メルー中央峰にそびえる“シャークスフィン”のダイレクトルートは、クライマーにとって究極の勲章となり得る難攻不落の岩壁」、そのメルー峰の登頂をあと少しのところで果たせなかった3…

マンダレーへの道

先日FILMeXにて鑑賞。ミャンマー華僑で16歳のとき台湾に移民したミディ・Z(趙紱胤)監督による長編第4作目。中文の原題が「再見瓦城(瓦城=Mandalay)(さらばマンダレー)」で英文の原題が「The Road to Mandalay(マンダレーへの道)」というのが自分…

大樹は風を招く

FILMeXにて鑑賞。英領香港が中国に返還された節目の1997年(当時の映像が映るだけでもぐっときてしまう)、かつて悪名を馳せ今も警察の目をのがれて地味に犯罪を続けたり或いは足を洗って商売をしている3人の強盗が、もうひと旗あげるためそれぞれの思惑で…

第53回台湾金馬奨

昨夜が授賞式でした。ノミネート&受賞リストは公式サイトの当該ページ(こちら)をはじめ各所にアップされているのでご存じの方も多いかと思います。今回自分は見ている映画より見ていない映画のほうが多くて総評はムリですが、あくまで個人的印象としては…

苦い銭

FILMeXにて鑑賞。王兵監督による先のヴェネチア映画祭オリゾンティ部門脚本賞受賞作…ドキュメンタリーで脚本賞というのもちょっと不思議な気もしますが(編集賞なら分かる)それはともあれ、浙江省湖州の縫製工場を中心に中国各地から出稼ぎに来た人々の貧し…

山<モンテ>

FILMeXにて鑑賞。厳しい山岳地帯に不毛の土地を持つ賤民一家をめぐる黙示録的物語。アミ―ル・ナデリ監督作ということしか知らずに見たので自分の解釈なり感想なりはもしかすると監督の意図とはまるっきりちがうかもしれないですが、この世とあの世の境界のご…

普通の家族

FILMeXにて鑑賞。マニラの路上で主に窃盗をしながらその日暮らしをするティーンエイジャーの夫婦に子供が生まれるが、16歳の母ジェーンに親切そうなふりをして近付いたゲイが生後1か月の息子を連れ去ってしまう…。 自分は前の2作を未見なのですがフィリピ…

ガール・オン・ザ・トレイン

劇場にて鑑賞。離婚の痛手から立ち直れない主人公が、通勤電車の中から毎日見つめる、元夫と新しい妻が幸せそうに暮らす家。ある時その家で不審な光景を見た彼女は…。見進めるにつれ次第に誰も信じられなくなってくるパラノイア・ミステリー。記憶が飛ぶまで…

ジャック・リーチャー NEVER GO BACK

先日シンガポールにて鑑賞。これにてシンガポールネタはひとまずおしまいです。「アウトロー」の続編で主人公の名前を冠した本作、どことなくストーリーやディテールに既視感ありでしたがアクションもトム・クルーズの陰影の深い一匹狼キャラも魅力的な安心…

シンガポールの映画館

もうちょっとシンガポールネタで引っ張ります。現地の映画館で見た作品は4本、うち3本が鑑賞時点で日本公開前、唯一「ジャック・リーチャー NEVER GO BACK」が日本公開とかぶってました。香港もそうだけどシンガポールもハリウッド作品の公開がおおむねニ…

ビリー・リンの永遠の一日

先日シンガポールの劇場にて鑑賞。公開が始まったばかりのタイミングで見ることができてラッキーでした。イラク戦争での勇気ある行為が報じられ一躍全米のヒーローとなった19歳のビリー・リンが一時帰国のさいにアメリカという国で滑稽で残酷なまでにまつり…

ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅

先日シンガポールの劇場で鑑賞。日本でも公開が始まっていると思いこんでいたらもうすぐでした。なのでちょっとトクした気分。とてもファンタスティックでマジカルで(あたりまえか?)アンティークな味わいの楽しい作品。人間も魔法動物たちもキャラが立っ…

華麗なるリベンジ

ちょこっとシンガポールで遊んでおりました。映画は現地の劇場で4本、機内で2本鑑賞し、表題作は機内鑑賞の1本。取り調べ中の暴力が原因で殺人犯とされ実刑判決を受けたアウトロー検事が真実をあばくため獄中で出会った前科9犯のチャラい詐欺師に運命を…

業務連絡

むこう一週間ほど更新がとどこおる予定です。メールや携帯はふつうに通じますm(_ _)m

スノーデン

試写にて鑑賞。NSA(米国家安全保障局)が日本も含む世界中の個人情報を収集・監視していたことを暴露し、ロシアに政治亡命した元局員エドワード・スノーデン。当時のオバマ政権を大いに狼狽させたそのスパイ映画さながらの世界的事件は、本人が信頼する…

五日物語 ―3つの王国と3人の女−

先日試写にて鑑賞。 世界初のおとぎ話とされ、のちにグリム兄弟にも大きな影響を与えたという17世紀の民話集「ペンタメローネ(五日物語)」から3つのストーリーを組み合わせて「ゴモラ」のマッテオ・ガローネ監督が映像化した幻想的で妖艶でグロテスクにし…

たかが世界の終わり

試写にて鑑賞。英語の原題は「it's only the end of the world」。若き鬼才グザヴィエ・ドランによる先のカンヌ映画祭グランプリ作品。家を飛び出してから12年、おそらくは余命宣告を受けたと思われる劇作家がそのことを告げるため帰郷を決意し、母や妹、兄…

奇蹟がくれた数式

劇場にて鑑賞。マドラスの一介の事務員ながら独学と直観で新しい公式を次々に発見、1914年にケンブリッジ大学のG・H・ハーディ教授に招かれて渡英した天才数学者S・ラマヌジャンが、第一次大戦前夜から戦中にかけて英国で堅牢なアカデミズムの壁、文化や宗…

アイヒマンを追え! ナチスが最も畏れた男

試写にて鑑賞。ホロコーストの中心的責任者であり戦後海外に逃亡し長らく行方をくらましていたナチ戦犯の筆頭アドルフ・アイヒマン。その逮捕後の裁判については「ハンナ・アーレント」や「アイヒマン・ショー」等の映画でそれなりに知っていましたが、本作…

幸せなひとりぼっち

先日劇場にて鑑賞。邦題が原題の直訳なのかどうかスウェーデン語なので不明ですが邦題はなかなかひねりがきいていて、全然幸せじゃないひとりぼっちの男をめぐる物語。主人公はヘンクツすぎて近隣の鼻つまみ者、こんな人物が近所にいたらマジかなわんわーと…

築地ワンダーランド

先日劇場にて鑑賞。(もう少しTIFFネタでひっぱるつもりでいましたがあっさり予定変更しましたすいません) 80年超の歴史に幕を閉じようとしている築地市場。そこに働く、あるいはそこへ仕入れに訪れる粋を極めた魚のプロたちの活力と気概を美しい記憶として…

ミスター・ノー・プロブレム

先日TIFFにて鑑賞。婁菀監督作品の脚本を数多く手がけてきた梅峰が老舎の1943年の同名短編小説を映画化した初監督作。農園のオーナー夫妻にも労働者たちにも受けが良いが経営状況は赤字続きで大株主から疑問視されている世故に長けた雇われ管理人の男を軸と…

ファイナル・ラウンド

先日TIFFにて鑑賞。映画祭は本日閉幕しましたがあと2〜3回はこの映画祭ネタでひっぱります。表題作は小遣いほしさにボクシングを始めた田舎町の貧しい魚売りの少女と都会から来た変人コーチとの愛憎入り混じる師弟関係の物語。怒りあり情熱ありトキメキあ…

バードショット

昨日TIFFにて鑑賞。チケ取りに出遅れぎりぎりでゲットしたのが最前列、画面が視野に収まらず字幕をそのつど横目で確認しながらのしんどい体勢でしたが、映画はすばらしかった。マニラ行きのバスが乗客ごと消息を絶った事件の真相解明にのめりこむ新米刑事と…

見習い

先日TIFFにて鑑賞。監督は83年生まれの俊英(そしてモデルさんのようなイケメン)で、2012年のsintokシンガポール映画祭のさいはブー・ジュンフェンと表記され今回はブー・ユンファンとなっている(ご本人の発音がジュンよりユンなのかな?)漢字で書くと巫…