雪豹

まだ続くTIFF振り返り。そろそろ終わりますが今年はほんとに好きな作品ぞろいでラッキーでした。表題作(原題同じ)は今年5月に53歳で急逝されたチベット映画の第一人者ペマツェテン監督の、亡くなる少し前に完成したという23年作品。羊を何頭も殺した野生の雪豹を捕まえた怒れる羊飼いの男、国家一級保護動物である雪豹を傷つけられては困る役人たち、希少な雪豹の撮影に訪れたTVクルー、異なる立ち位置の面々が一堂に会する数日間の物語は世俗的な人間模様とマジック・リアリズム的描写がとけあってお馴染みのジンパ演じる羊飼いが怒鳴りまくるシーンの激しさを中和していく別のエネルギーを感じさせ、見終わってからじわじわくるものがありました。自分は他のコンペ作品はもう2本の中国映画しか見ていないので総評はできませんがグランプリ受賞おめでとうございます。

で、またまた余談。映画を見ている間じゅう、TVクルーの若手スタッフ役の俳優がファンタジー系時代劇ドラマ「天醒の路」の主演の一人と似ているなーと思いつつ名前(熊梓淇)を思い出せず、いやでも彼はたしかアイドル歌手兼俳優だしペマツェテン作品と接点がある気がしないなーとか(失礼な)思っていたんですが、あとから分かったのはちゃんと本人で、しかもゲスト来日してQ&Aや授賞式などに登場してました(ピンクオレンジの髪とロングジャケット&ワイドパンツの着こなしが目をひく長身のイケメン)。事前チェックが足らなすぎる自分でございました。。