2016-08-01から1ヶ月間の記事一覧

栄光のランナー 1936ベルリン

劇場にて鑑賞。原題は「RACE」。1936年、ナチスドイツの国威をかけたベルリンオリンピックにおける人種差別とスポーツマン精神との葛藤に苦悩した世界最速の男の実話にもとづく物語。その精神力と偉業はタイトルどおり栄光でありつつそれ以上に主人公のライ…

イングリッド・バーグマン 愛に生きた女優

劇場にて鑑賞。実をいうとイングリッド・バーグマンについてはごくしろーとレベルの認識、つまり「カサブランカ」の印象とかロベルト・ロッセリーニとのスキャンダラスな熱愛といった表層的なイメージでとらえていたもので、それが全部リセットされて人間イ…

淵に立つ

先日試写にて鑑賞。タイトルどおりまさに深淵をのぞきこむような怖いのに目をそむけられない得体の知れない好奇心と不安にかられ、できれば一生自分はこんな思いをしたくないと思えば思うほど他人ごとと思えなくなってくる、いわゆる家族神話の対極を静かに…

ざくろの色

劇場にて69年作品のデジタル・リマスター版を鑑賞。セルゲイ・パラジャーノフという名前は知っていたもののその監督作は遅ればせながら初見でして、正直いって自分ごときが論評するには百年早い気がする美しく詩的で宗教的で時に哀しく時に滑稽で時に祝祭的…

稽古

合気クラス@I道場。しーふーいわく「剛をやれて柔になれる。最初から柔にはなれない」「稽古のあとですっきりしていれば正解。重くなっていたら、やりすぎか考えすぎ」「武道家や宗教家は一生懸命やるうち固くなってしまう人がいるけど、一生懸命やって開…

アルジェの戦い

66年のベネチア国際映画祭金獅子賞受賞作。来る10月にデジタル・リマスターおよびオリジナル言語版で公開されのに先立ち、昨日試写にて鑑賞。130年にわたりフランス統治下にあったアルジェリアで起こった独立闘争(アルジェリア戦争/54〜62年)、その中でも…

稽古

護身クラス@I道場。しーふーいわく「指導者は、教えながら自分も伸びていかないと。ただ教えるだけなんてのはだめ」「まず臍下丹田を鍛える。丹田は下から開発していくもの。下丹田、中丹田、上丹田と」「鈴や太鼓の音は良いよ。邪気を払い、浄めになる」

ハートビート

劇場にて鑑賞。ガール・ミーツ・ボーイとダンス・ミーツ・ヴァイオリンがミックス&スパークしたキュートでラブリーな青春映画。ムダにひねってないストーリーとキャラクターのシンプルさ(とくに主人公カップルと対決する学校一のバイオリニストとダンサー…

戦狼2

呉京監督・主演による軍隊アクション「戦狼」の続編。撮影現場の取材記事がこちらに。今回は舞台を海外に移し、「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」でクロスボーンズを演じたフランク・グリロと同作等のファイト・コレオグラフファーにしてスタント・コ…

マジック・マイクXXL

悪天候すぎて外出をとりやめて自宅鑑賞した1本。劇場公開されていたさいに見そびれていたのでちょうどよかった(?)。前作「マジック・マイク」でキョーレツな印象を与えたマシュー・マコノヒー演じるダラスの不在があーなるほどな理由で違和感なく物語は…

ゴーストバスターズ

劇場にて鑑賞。84年のオリジナルをタイムリーに見ててあのテーマ曲を聴くだけで踊ってしまう世代としてはリブート作ができると知ったときから首を長くして待ってましたが期待を裏切らない楽しさでした。新生チームの女子4人もカメオ出演のオリジナル主演陣…

スーパーメンチ −時代をプロデュースした男!−

先日試写にて鑑賞。 メンチ(menschi)とは偉人とか高潔な人というような意味で、映画を見てなるほど納得。大学卒業後、たまたま宿泊先のホテルでジャニス・ジョプリンに殴られたことから彼女やジミ・ヘンドリクスとダチになったのを皮切りにマネジメントを…

ジャングル・ブック

劇場にて鑑賞。期待以上の楽しさで、唯一の人間キャラであり唯一の生身の出演者であるニール・セシ君のかわいさにきゅんきゅん。インディアン・アメリカンのニール君、成長してもきっと男前だろうな〜。今やCGはここまでできるんだと感嘆しつつ、逆にナマ…

奇跡の教室〜受け継ぐ者たちへ〜

劇場にて鑑賞。原題の「LES HERITIERS」は相続者たちとか後継者たちという意味だそうで、そこにこめられた意味も映画を見ると納得ですが邦題は邦題でそのものズバリなのがナイス。民族も宗教もさまざまな問題児ぞろいのクラスと担任教師との実話にもとづく物…

ニュースの真相

昨日劇場にて鑑賞。04年の大統領選、再選を目指すブッシュの兵役逃れ疑惑を裏付ける文書を入手し大スクープを打った人気報道番組のチームが、文書そのもののねつ造疑惑によって激しく糾弾される急転直下の展開に…。ひと昔前の実話がベースだけれど今そこで起…

ソング・オブ・ラホール

昨日劇場にて鑑賞。70年代後半のイスラム化と90年以降のタリバンによる迫害で伝統音楽の火が消えかかったパキスタンで、古典楽器も活かしてのジャズ演奏に活路を見出したバンドが世界に打って出るまでの道のり。クライマックスのコンサートシーンは圧巻で、…

コロニア

先日試写にて鑑賞。ピノチェト独裁政権下のチリに実在した、ナチス残党による移民コミュニティ“コロニア・ディグニタ”。ピノチェト政権と裏で結びつき秘密裏に拷問や武器製造がおこなわれた実態が外部に知られることはほとんどなく一度入ったら二度と出られ…

Ocean’s 8

こちらの中華なサイトで知り元記事はこちらと思われますが、人数は11じゃないけど女性版「オーシャンズ・イレブン」といわれる表題作のメインキャストがサンドラ・ブロック、ケイト・ブランシェット、アン・ハサウェイ、リアーナ、ヘレナ・ボナム・カーター…

めぐりあう日

劇場にて鑑賞。孤児院で育ち現在は養父母も夫も息子もいる主人公が生みの母を探すことに固執するあまり自ら精神的に追い込まれていく、「冬の小鳥」のウニー・ルコント監督の長編第2作目。前作に続く三部作の二部にあたるそうで、「ミモザの島に消えた母」…

ブリーダー

カリコレにて鑑賞。ニコラス・ウィンディング・レフン監督の1999年作品(デンマーク映画)。監督第2作目という旧作で、前知識ないまま監督の名前とマッツ・ミケルセン目当てに見ましたらがっつり面白かった。やばい感じが次第に高まって一触即発になってい…

聖なる呼吸 ヨガのルーツに出会う旅

試写にて感想。「ヨガとは?」という好奇心と共にドイツのヤン・シュミット=ガレ監督が“近代ヨガの父”と呼ばれるティルマライ・クリシュナマチャリア(1888-1989)の薫陶を受けた高弟や子女を南インドに訪ね自らヨガを学びつつ、世界に広まったヨガのルーツ…

ミモザの島に消えた母

先日劇場にて鑑賞。原題は「BOOMERANG」。幼いころに失った母の死について父が多くを語ろうとしないことに納得のいかない主人公が妄執的なまでに過去にとらわれ孤立しながらも少しずつ真相に近付いていく…。いっそ知らないほうがよかったかもしれない真実で…

希望の樹

先日「現代ヨーロッパ映画(その1)−移民・難民・越境・辺境・マイノリティ―」にて鑑賞。ロシア革命前のグルジア(現ジョージア)の山村でムラ社会の因習におしつぶされていく恋人たちの物語。民間伝承的な滑稽味や寓話性とニッポンを含め世界各地に今もい…

長い旅

特集上映「現代ヨーロッパ映画(その1)−移民・難民・越境・辺境・マイノリティ―」にて鑑賞。昨年のイスラーム映画祭で上映されたときには見そびれてしまっていた2004年作品。移民先のフランスから5千キロ離れたメッカへ向けてオンボロ車で巡礼の旅に出た…

稽古

護身クラス@I道場。しーふーいわく「手先で動かしてもだめ。中心から動かさないと」「人格と霊格はちがう。霊感と霊格もちがう」「修行のやり方は人それぞれ。密教でも修験でもなんでも、自分に合ったやり方をするのがいい。上にあがれば同じところへ行く…

ベトナムの怪しい彼女

劇場にて鑑賞。3月のOAFFで見そびれてしまったのでカリコレでかけてくれたのは幸いでした…けどこれ韓国映画「怪しい彼女」のベトナム版リメイク作品と知っているから違和感なかったけどそれを知らずにいる人にしてみれば“ベトナムの怪しい彼女”ってなんじゃ…

ロング・トレイル!

劇場にて鑑賞。R・レッドフォードとN・ノルティ演じるシルバーコンビが若気の至りじゃなくて老人だとなんというのかナとにかく思い立って3500キロの自然歩道“アパラチアン・トレイル”の踏破に挑んだ珍道中。老境の名優たちのがんばったりよれよれになったり…

シン・ゴジラ

劇場にて鑑賞。 猛烈な早さで交わされる大量のセリフと矢継ぎ早に下される判断。刻々と変わる国内外の状勢の中で関係者一人一人の地力と骨の髄までしみこんだ役割意識がむきだしになっていく究極のリスク管理ドラマ…すぐまたもう一度見たいくらいの傑作! 公…