2019-10-01から1ヶ月間の記事一覧

ひとつの太陽

こと原題「陽光普照」。東京国際映画祭にて。鐘孟宏作品はすごく緻密でそれゆえともすれば作り込みすぎな気がしなくもないという印象を実は持ってまして前作「ゴッドスピード」もイマイチ乗れなかった(許冠文はすごく良かったけど)というのが正直なところ…

チェリーレイン7番地

こと原題「繼園臺七號」。東京国際映画祭にて。反英デモに揺れる67年の香港を舞台にエリート大学生と家庭教師先の美しい母娘との三角関係未満の微妙な心の機微を描く、楊凡監督の全身全霊をかけた(と感じるほどの)美意識と香港愛とエロチシズムにあふれた…

フォックストロット・シックス

東京国際映画祭にて。昨日の「停止」に続き飢餓や独裁政治などモチーフの重なる部分がけっこうあって(ストーリーはまったく別物ですが)本当にこの世界は絶望的な方向にひた走っているのだなと思わされる舞台設定の近未来ディストピア映画。前知識ゼロで見…

停止

東京国際映画祭にて。今年のマイスケジュールはラヴ・ディアス監督の283分の大作でスタート。自分にとってラヴ・ディアス作品は正直にいうと最初は未知との遭遇みたいなところがあって「昔のはじまり」5時間半ノンストップでちょっと自信(?)がついたこと…

高度一万メートルの奇跡

こと原題「中国機長」。2019東京・中国映画週間にて。諸般の事情で今回はこの1本きり(ナタも観たかった。。)なのですが観られて良かった。大満足。実話ならではのパニック感もさりながら期待どおり張涵予が最初から最後まで男前すぎてもう一生ついて行き…

アダムズ・アップル

先日劇場にて。ある教会の世話になることになった仮釈放中のネオナチの男の、自覚的な悪党であるがゆえにどんどん空回りして行く悪党的ふるまいと、牧師を筆頭に同居人たちの無自覚なゆがみっぷりとの不協和音がなんともいえない面白さのシュールでブラック…

ひとよ

試写にて。白石和彌作品は(すべてを観てはいないのもののそれなりに。。)濃厚で過剰で、でも時折ふっとさし込まれる抜け感があってお腹いっぱいだけど胃もたれしないギリギリの線でガッツリ見せ切ってくれるところに信頼をおいておりますが本作もまた。物…

HiGH&LOW THE WORST

劇場にて。このシリーズ映画版しか観てないですがこれまでのマイベスト。最初から最後までエキサイティングでした。もちろんアクション最高。ニッポンの若手男優は壁ドン胸キュン系もまあ一度や二度ならいいけどこうして若いうちにガンガン身体能力を磨きま…

「映画のない映画祭」上映会のお知らせ

かなり日程が迫ってしまいましたが告知です。表題の作品が恒例の「目撃!中国インディペンデント・ドキュメンタリー」にて10月22日に上映されます。詳しくは下記のとおりです。この映画自分はたまたま前回(2017年)の山形国際ドキュメンタリー映画祭で観ま…

テルアビブ・オン・ファイア

昨日試写にて。昨年のベネチア国際映画祭InterFilm部門で作品賞を受賞し東京国際映画祭でも上映されたルクセンブルク・仏・イスラエル・ベルギー合作映画。毎日のようにイスラエルとパレスチナ間の検問所を通ってパレスチナ製作のメロドラマの撮影現場に通う…

真実

昨日劇場にて。深くて軽やかで可笑しくて毒があって、メインかサブかにかかわらず登場人物すべてがエレガントで(あっでもイーサン・ホークだけはいい感じに浮いていた。もちろん褒めてます)、さしものジュリエット・ビノシュがつつましやかに一歩ゆずった…

15ミニッツ・ウォー

昨日劇場にて。1976年に仏領ジブチで独立派がスクールバスをジャックし、国境近くの荒野で膠着状態に。子供たちを救うため、狙撃の精鋭5人が密かに送りこまれるが、、。先日観た「エンテベ空港の7日間」に続く実話にもとづく人質救出作戦モノで、とくにこ…

燃えよスーリヤ!!

試写にて。先天的に痛みを感じない主人公スーリヤが祖父のアドバイスでアクション映画を観まくる中で片足の空手家の百人組手に魅了され、自分もカンフーを極めることを決意する。。ハンディをバネに、というか痛みを感じないのは逆に有利では?と勝手に思っ…

盲目のメロディ インド式殺人協騒曲

試写にて。芸術的理由から盲目を装って活動するピアニストの主人公が、自宅での演奏を依頼された往年のスターの家で殺人現場を目撃してしまい、気づかぬふりを通そうとするが。。。まるで先の読めないブラックでシニカルな極上のスリラー。見事なり。どいつ…

エンテベ空港の7日間

劇場にて。1976年、多数のイスラエル人を乗せたエールフランス機がパレスチナ解放戦線のメンバー2人とそれに同調するドイツの過激派2人、計4人のテロリストにハイジャックされ、テロリストとは交渉しないとの強行姿勢を見せたイスラエル政府が極秘裏に進…

蜜蜂と遠雷

劇場にて。原作を読んでいてよかった。。でないとむちゃくちゃ緊張しまくったと思う、若手天才ピアニストたちの切磋琢磨のドラマ。映画化の記事を見かけた時、風間塵のキャストは一体どーするのと僭越ながら思ったりしましたが、よくぞ鈴鹿央士くんを発見せ…

ハミングバード・プロジェクト

先日劇場にて。他社より0.001秒早く取引をして巨万の富を得るため1600キロ離れたNYとカンザス間を一直線の専用回線で結ぶプロジェクトとかもうなんなんだアメリカって国は、、と金融方面に疎くて高頻度取引なるものに至っては知識ゼロだったので物語の細かい…

ジョーカー

昨日劇場にて。昨日は大モノを2本たて続けに観て、こちらは「ジョン・ウィック」のあとだったこともあり、はねあがった血圧をさあっと低下せしめるホアキン・フェニックスの肉体改造に震撼。「ジョーカー」の誕生というより覚醒、そして「ジョーカー」は隣…

ジョン・ウィック:パラベラム

劇場にて、初日かちこみ。これこれこれだよこういうのが観たいわけよ、という感じで最初から最後まで楽しかった。大好き。キアヌ・リーブスの「マトリックス」から今日に至るまでのアクション・スキルの進化ぶりに五体投地し、初登場のハル・ベリー(とその…

見えない目撃者

先日劇場にて。中国のリメイク版は見てますが韓国のオリジナルは未見のため比較考察はできないんですが自分としてはニッポン版GJ!な印象。スマホの使い方とか犯人像とかしっかり作り込まれていて大いにハラハラしました。盲導犬のパルにもちょっと泣かされ…