ホモ・サピエンスの涙

日劇場にて。ショートショートのような映像に、しばしば「〜〜を見た」というナレーションが入るほのかに滑稽でひっそりと切ない禅問答のような人生の断片集。その数々を「見た」主体はもしかして神の目線なのか、それとも故マノエル・ド・オリヴェイラ監督の「アンジェリカの微笑み」をふと思い出させるゆったりと宙を浮遊する恋人たちなのか、いやそうではない彼らの姿もまた見られている、ととりとめなく思いをめぐらせるうちに時間は過ぎ、見終わって不思議な夢から醒めた心持ち。人類は昔も今もこれからもこんなふうに日々を生きてやがて滅びていくのかなと遠い目になってしまいました。

公式サイトはこちら