チャンシルさんには福が多いね

試写にて。先の大阪アジアン映画祭で上映されたのち、レスリーが、レスリーが、とSNSがにぎわっていたのですごく気になっていた作品。ちなみに大阪アジアンでは「チャンシルは福も多いね」とのタイトルだったのが公開タイトルは表題のようになり、「も」と「が」のニュアンスの相違がなんか気になるもののあいにく原題のニュアンスがわからない自分なのでした。プロデューサーとして長年組んでいた監督の急死により失職してしまったアラサーのヒロインの悲哀と映画愛と自分探しの中から浮かび上がってくるそれまで気づかなかった「福」の物語は、キム・チョヒ監督自身の経験を反映した長編デビュー作。とりあえず具体的に何かが共通しているわけではないけれどじわじわと身につまされて、それでもいつしか冬が終わって春がくるようなキュートな佳品でした。

で、レスリーですが、まじでレスリーだった。「愛の不時着」の耳野郎ことキム・ヨンミン演じるレスリー・チャンを名乗るキャラクター(「おらおらでひとりいぐも」における寂しさ1とか2とか3みたいな存在)は、右斜め背後からの横顔と肩のラインとうなじの雰囲気がすごく似ていて思わず停止ボタンを押してまじまじと眺めたくなったほど。基本はコミカルなキャラですがこのアイデアのすばらしさはちょっとした奇跡です。

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