国葬

劇場にて。53年3月に行われたスターリン国葬当日の様子を全国各地で撮影しプロパガンダ映画となるはずだったらしいが日の目を見ずのちにウクライナで大量に発見された幻のフィルムが、ベラルーシで生まれウクライナで育ち現在はベルリン在住のセルゲイ・ロズニツァ監督の手によってつながれ現代によみがえった世紀の国葬の一部始終。そこに写っているのはおびただしい人、人、人、人、人の顔。寒い時期にどうやってこれほどの生花が調達されたのかと思うほどの花輪の山、山、山。美辞麗句をつらねた弔辞、弔辞、弔辞。独裁体制下の全体主義のとてつもなく壮大なそらぞらしさと、心から悲しみ涙を流す人々のウソではない表情を同時につきつけられて言葉を失う驚愕のドキュメンタリー。

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