山<モンテ>

FILMeXにて鑑賞。厳しい山岳地帯に不毛の土地を持つ賤民一家をめぐる黙示録的物語。アミ―ル・ナデリ監督作ということしか知らずに見たので自分の解釈なり感想なりはもしかすると監督の意図とはまるっきりちがうかもしれないですが、この世とあの世の境界のごとき峻嶮な岩肌とごうごうたる山の音が主人公の男とその妻子の絶望や怒りと同調して、対立すればするほど互いに引き寄せられていくような感覚で、いわゆる山岳信仰的な観念になじんでいる身としては山を呪う者は山に呪われるという一種訓戒のように思えました。