たかが世界の終わり

試写にて鑑賞。英語の原題は「it's only the end of the world」。若き鬼才グザヴィエ・ドランによる先のカンヌ映画祭グランプリ作品。家を飛び出してから12年、おそらくは余命宣告を受けたと思われる劇作家がそのことを告げるため帰郷を決意し、母や妹、兄とその妻の前に姿を現すが…。これまで繰り返し母と子の愛憎をモチーフあるいはテーマにしてきたドラン監督が今回は母の重さから家族の重さへと歩を進め絶望的なまでにすれちがう家族のカルマをやるせないほどの美しさに昇華させた驚きの1本。個人的にドラン作品が好きすぎるというのもあるだろうと思うんですが、本作もギャスパー・ウリエル、ナタリー・バイ、レア・セドゥ、マリオン・コティアール、ヴァンサン・カッセルという豪華キャスト1人1人の繊細にして激しい名演にうっとり見惚れるばかりでありました。
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