淵に立つ

先日試写にて鑑賞。タイトルどおりまさに深淵をのぞきこむような怖いのに目をそむけられない得体の知れない好奇心と不安にかられ、できれば一生自分はこんな思いをしたくないと思えば思うほど他人ごとと思えなくなってくる、いわゆる家族神話の対極を静かに見据えた深遠なる1本。劇中、4人の人間が川べりで寝そべる印象的な場面があり、再びその構図が別なかたちで画面にあらわれたとき、めぐる因果の環がふと見えたような…。本作とは直接関係ないですがニーチェの「善悪の彼岸」にこんな言葉があるようです。「怪物と戦う者は、その過程で自分も怪物になることのないように気をつけなくてはならない。深淵をのぞく時、深淵もまたこちらをのぞいているのだ。」 
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