ロング・デイズ・ジャーニー、イントゥ・ナイト

こと原題「地球最後的夜晩」。先日FILMEXにて鑑賞。長編デビュー作「凱里ブルース(路邊野餐)」で一躍脚光を浴びた89年生まれの俊英・畢贛監督の2作目は今回も浮遊感に満ちた長回しが観る者を夢幻(無限的でもある)世界にトリップさせるマジカルで詩的な作品。自主映画に近かった前作のアイデアというかこだわりを、はるかに予算がつき大スターも起用しての商業映画でもう一度思う存分やってやりきったのか、それとも次なる作品でも三たびやりたいと思っているのかはわからないけれど、誰も真似できない(するわけにいかない)畢贛スタイルが国際的に注目されるのは大いに納得できるところ。前作の驚きと感動が大きかったのであのインディペンデント感や自分の幼少時の記憶の一部とかぶるような凱里という場所への不思議ななつかしさに自分としてはより惹かれるものを感じますが(中でも陳永忠おじさんのカラオケシーンが好きすぎる)、(略)が(略)している間に長い彷徨が凝縮されて走馬灯のごとく流れていくような(もしかすると死の直前に見るような?)本作のどこか哀切なノスタルジーと湯唯の美しさにもうっとりでした。
来年夏、前作と合わせてニッポン公開だそうなのでぜひまだ両方とも観なおしたいです。