世界はリズムで満ちている

先日TIFFにて鑑賞。伝統打楽器ムリダンガムの職人の家に生まれたが家業に興味のなかった主人公が、第一人者の演奏に魅了され作り手でなくムリダンガム奏者を目指す、南インドを舞台にした音楽映画。打楽器は動物の皮を使うため作るのは不可触民で演奏は高いカーストの者という前提を知らずにいたもので、途中からようやく自分もこの映画のメッセージ性に気づいたというか、ごく素朴なストーリーの向こうにもっと広い世界が見えた気が。タイトルどおり全編を満たす打楽器の音色、リズム、躍動感、そしてムリダンガムの超絶技巧はまさに陶酔感をおぼえるすばらしさ。これってインドの劇場だったら観客が踊り出しているのでは。。伝統楽器の種類の多さ、見たことのない楽器が次々に出てくるのにも目をみはりました。余談ですが、劇中、卑劣な人物が何人か登場するんですが最後でザマーミロな展開にならないのにもちょっとびっくり。そういえば先日久しぶりに再見した「ムトゥ」でも、えっこの極悪人がなんで大団円の一人に加わっているの?というのがあって、インド映画、深いな。。