ひとつの太陽

こと原題「陽光普照」。東京国際映画祭にて。鐘孟宏作品はすごく緻密でそれゆえともすれば作り込みすぎな気がしなくもないという印象を実は持ってまして前作「ゴッドスピード」もイマイチ乗れなかった(許冠文はすごく良かったけど)というのが正直なところですが、本作はそういう完璧さやスキのなさが緩和されもっと軽みのある作りになっていたのがすごく良かった、熟練の作。物語はとても重いのだけどその重さの自然さというか一種の達観性が胸にしみました。役者たちも実に良くて、来たる金馬奨ではかなり健闘しそうな予感(ただ自分は対抗馬の作品をほとんど観られていないので上には上があるかもですが)。