ワナジャ

こと英語タイトル「Vanaja」。SNSで見かけてなんとなく気になりまったく何にも知らずにamazon prime videoにて鑑賞。ワナジャってなんだろう?と思ったらヒロインの名前でした。南インドの田舎町で漁師の父と二人で暮らす15歳のワナジャは踊りが大好きで、大地主の屋敷の使用人となり住み込みで働くかたわら音楽と踊りに造詣が深い女主人に踊りの指導を受けて腕を磨く。だが女主人の息子に手ごめにされ妊娠。醜聞をおそれた女主人はワナジャに堕胎を迫り。。と、まだまだここから話は二転三転するのですが、カーストの厚い壁にはばまれるワナジャの苦難に胸をいためつつ、一方で彼女の踊りのすばらしさに刮目。全体にインディーズっぽい作りで、日本語字幕も内容はたぶん正しいのでしょうが(自分にはテルグ語の内容をチェックする能力はゼロ)2つのセンテンスがマルもテンも改行もなくつながっていたりする所があってちょっと微妙だなと思っていたら、実際これは監督の卒業制作だったことがあとからわかってちょっと納得(?)。だけどそれでこうして配信されているんだからたいしたものです。ということで検索などしてみましたら2007年の作品であること、アジアフォーカス福岡国際映画祭で上映されていたこと、海外で数多くの賞をとっていること、出演者はみなプロの俳優ではないこと、主演の女の子がもともとダンサーなのかと思ったらこの映画のために特訓して踊れるようになったこと、等々あとからいろいろわかってあらためて驚きでした。クチプティ舞踊というインドの古典舞踊やその踊りの中で語られているストーリーとか地主と使用人の関係とか舞台となっているアーンドラ・プラデーシュという地域の歴史・文化背景とか、まるで分からないままこんな映画を見ました踊りがすばらしくて話も興味深かったですというだけで終わってしまうのがもったいない、できればがっつりとレクチャー付きで観たい映画です。