弱くて強い女たち

こと原題「孤味」。東京国際映画祭にて。古希を迎えた母と3人の娘が長年音信不通だった夫(父)の死を知るところから始まる、次女役の徐若瑄がプロデュースも兼ねた女性映画。なにやらいろいろこじらせているらしい一家にどんな事情があったのかが少しずつ見えていく物語は、冒頭から美味しそうな料理が出て来て「飲食男女」ならぬ「飲食女女」的な料理ものかなと思ったらそのエッセンスもありつつ「父の初七日」を思い出させる台湾風味あふれる葬式映画でした。主演の陳淑芳をはじめ謝盈萱、丁寧、ゲスト出演の張鈞甯らキャストの顔ぶれも贅沢かつ安定感抜群で、中でもあいかわらずかわいいのに高校生の娘を持つ母親役で台語のセリフも違和感なくはまるビビスーが実にいい年の重ね方(キャリア面でも)をしていて感服。