十年 TEN YEARS

先日試写にて観賞。十年後の香港の姿を皮肉と不安と哀感と祈りと静かな希望を込めて描いた5人の新人監督によるオムニバス映画で、ごくインディペンデントな小品でありながら口コミで評判になり昨年の香港電影金像奨で最優秀作品賞を受賞し、驚きと共に香港映画人の気概を感じさせてくれた香港映画史に残る重要な1本。十年後という設定自体が皮肉と思える、かつ香港だけの話ではなく身近な近未来の予知夢のようなタイムリーさもまた驚きというか何か啓示のようなものを感じさせるものあり。いささかノリきれないパートもないではなかったけれどもそれ以上に5本の順列がこの作品の価値を決定づけており、最終パートはこれしかないと思えました。余談ながら1本目に出演の王宏偉は実に味わい深く敏感な役どころだけに本国でなんか言われたりはしなかったかしらと…老婆心ですが。
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