ゴッドスピード

昨日TIFFにて鑑賞。麻薬密売人グループとその使いっぱしりの男、さえないタクシー運転手をめぐる不穏で殺伐とした中に悲哀と滑稽味と人間味がじわじわくる鍾孟宏監督作品。全編にわたる実力派役者たちのツラガマエのアップが強い印象を残し、とりわけなんといっても許冠文のちょっとした表情やしぐさの絶妙さといったら何時間でも眺めていたいほど。納豆(芸名です、念のため)もそうだけどすぐれたコメディスターは名優だというのをあらためて確信した次第。すごく台湾映画らしい台湾映画であり(その理由を簡潔に述べよといわれてもなかなかうまく説明できないけど)、ある意味スキがないというか偏差値の高い文芸映画であり(同上)、来る金馬奨(ノミネート一覧はこちら)で複数の賞をとるかもという予感が…(あくまで個人的にそう感じるだけなのでハズレてもあしからずどうぞ)。
ちなみに映画の序盤、タイのシーンでヴィタヤ・パンスリンガムが登場しニヤリッとした人はけっこういたんではないでしょうか。「オンリー・ゴッド」以来自分の中で忘れられない存在でしたが最近は「メカニック ワールドミッション」で見かけ「メコン大作戦」でいよいよマイブームになりそう。ほかにも香港チームがタイでロケした出演作が待機中、と思われます、たぶん。