シェッド・スキン・パパ

昨日TIFFにて鑑賞。ちなみに「ジェット」でなく「シェッド」なのでおまちがえのないように。父親はボケて手がかかるわヨメに離婚を迫られるわ借金取りにはボコられるわで八方ふさがりの売れない映画監督(古天樂、好演)と、ある時からなぜか脱皮を繰り返し若返り始めた父親(呉鎮宇が超楽しそうに怪演)との奇想天外な物語。最初のうちこのノリについていけるかなと思ったりもしたんですが途中からどんどん面白くなり自分も後期高齢者な肉親がいるのでいろいろ沁みる部分もありで6人の呉鎮宇(!?)が歌い踊る場面では涙、涙。大陸から単身で香港に渡り、妻を呼び寄せるために苦労した男の物語としてもぐっときました。もしかして監督自身がモデルなのかなと思ったら原作は日本の劇作家佃典彦の舞台劇「ぬけがら」で、佃氏も来場。香港に舞台を移してこういうかたちで映画になるって、それ自体なんだかいい話です。監督の司徒慧焯は脚本家として「夜半歌聲 逢いたくて、逢えなくて」や「冒険王」等日本公開された作品も数多く手がけてきたベテランで(一般的表記はロイ・ゼットー)、俳優、また舞台「雪狼湖」の演出などでも活躍、本作が満を持しての初監督作品。