あなた自身とあなたのこと

昨日TIFFにて鑑賞。前の男と別れ新しい男と出会うたびに別のパラレルワールドが始まる(ように見える)ヒロインと彼女が忘れられなくなるあまり自分が消えて行く(ように見える)男たちの物語。実はホン・サンス監督作品には昔かなり苦手意識を持っていた自分なんですが、登場人物がぐだぐだと悩み続けたり延々しゃべったり酒を飲んだりベッドでもつれあったりするのをニヤニヤしながら眺めること自体が妙に楽しく感じるようになったのはある種の慣れなんでしょうか、なんていうと「まったく分かってないな」とあきれられてしまうかもしれないけど、どこから始まってもどこで終わってもいいような或いはどこにも起点がなくどこにも終点がないようなメビウスの輪にからめとられたような独特の面白さは今回もまた。