イ・チャンドン アイロニーの芸術

昨日、特集上映「イ・チャンドン レトロスペクティブ4K」にて。公式サイトの引用になりますが「フランスのドキュメンタリー監督アラン・マザールの脚本を元に、被写体であるイ・チャンドン自らが総力を上げてコラボレーションした」というこれが日本初公開の22年作品。「バーニング」(19)から始まり「グリーン・フィッシュ」(97)まで全6作を「ペパーミント・キャンディ」(99)のごとく時間を逆行して監督自身と出演者たちのコメントで振り返っていく滋味あふれるドキュメンタリーで、幸いこれまで全作品見ているのであらためて名作揃いであることを認識しなおすとともに個人的には「シークレット・サンシャイン」がマイベストと思ってましたが「オアシス」も並ぶかも(かつて見たときはかなり打ちのめされて感動するまでには至らなかった気がする)と遅ればせながら思ったり。そして、教職や作家を経て今も一見映画監督というより大学教授のような監督の語り口のやわらかさとするどさに、こういう人を文化大臣に相当する文化観光相に任命した韓国(盧武鉉政権の時)に羨ましさを感じたりも。