ドンバス

試写にて。「国葬」(19)などドキュメンタリーの傑作群でも知られるセルゲイ・ロズニツァ監督による18年の劇映画。フィクションの体裁をとりつつ、親ロシア派が勢力を持ち14年にウクライナからの独立を一方的に宣言したドンバス地方で起こった実話をもとに13のそれぞれ関連性を持たせたエピソードから成る、地方政府や警察のあからさまな腐敗、フェイクニュースの内幕から反露派ゲリラへの民衆の壮絶なリンチまで、これが日々報じられているロシア=ウクライナ戦争の背景でありもしやまさしく現況なのではと思わずにいられない衝撃作。上映後、東大大学院人文社会系研究科の池田嘉郎先生による解説もあってとても勉強になったのですが、質疑応答の中で本作がロシアで18年に上映されるはずだったのが取り消しになった理由として「技術的な問題」という言及があり、中国と同じか・・と思わずため息が。。

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