ミャンマー・ダイアリーズ

原題も「Myanmar Diaries」。試写にて。民主化が順調に進むかに思えた2021年2月にクーデターで再び軍事政権に逆戻りしたミャンマー。その弾圧の実態を生々しく伝える一般市民のSNS投稿と匿名の若手監督10人による短編映画を合体し、第72回ベルリン国際映画祭パノラマ部門でドキュメンタリー賞・ブロンズ観客賞・アムネスティ国際映画賞を受賞したセミドキュメンタリー。家に押しかけた警官たちが理由も言わず強制連行していく母親とそれを止めようと泣き叫ぶ子供、デモ隊に紛れこんだ私服警官(もしくは雇われ暴力団)に鉄棒で半殺しにされる男性、突然の発砲を受けて倒れ込む女性などなど軍と警察の横暴のさまに香港の雨傘革命以後の弾圧が脳内でシンクロし、フィクションパートでも「十年」を想起させる部分が少なからずあり(もしかして「十年」の影響もあったりするのか?)、胸ふさがる思い。この暴力と理不尽を世界に拡散せずにはおかないという強い意志が生んだ怒りと慟哭と祈りの70分。

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