愛しの母国

こと原題「我和我的祖国」。昨日劇場にて。7人の監督による7話オムニバスで、陳凱歌が総監督と1パートの監督をつとめた、タイトルが示すとおりバリバリの愛国映画。先日観た「愛しの故郷」の姉妹編で(本作が姉にあたる)寧浩、徐崢、葛優、黄渤、劉昊然、呉京、張譯ら「故郷」とカブる監督や俳優たちもけっこういました。どんだけ売れっ子なんでしょうすごいです。1週間限定公開ということで映画祭の合間にむりくり予定をつっこみ劇場は遠いし夜遅くまでかかったしで体力的にはくたびれましたが上々の気分で帰途につきました。最たる理由は3つで、1つめは第一話の冒頭でマイアイドル胡軍が登場。びっくりしすぎて一体どんな役だったか全然覚えてないのですがワンシーンのみの友情(?)出演ながらこの出だしのラッキー感で一気にテンションアップ。2つめは徐崢監督(ちらりと出演も)のパート「奪冠」がすごく良くて、「故郷」と「母国」の計12話の中でもダントツのマイベスト。これだけでも行った甲斐があったくらいです徐崢さすがです。そして3つめは、当初一番のお目当は陳凱歌監督のパートで、なぜかというと監督の息子陳飛宇(ドラマ「将夜」以来すっかりファンになりまして)が出ているからだったんですが田壮壮と劉昊然が共演のこのパートも良かった。以上3つの理由により大いに満足でしたが、ついでにいうと香港返還を扱ったパートも今の香港のことを思うとモヤモヤしないわけにはゆかぬものの香港側の主演で夫婦役の任達華と恵英紅のほろりとさせる好演が救い。さらについでにもう1つ、これはどーなのというのが原爆開発のエピソードを描くパート。テーマ的にも演出的にも「はあ〜?」で主演の張譯の無駄遣いというかなんというか御愁傷様という気分に。まあ1つくらいハズれがあるのは仕方ないですよね。

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