八月

先日香港国際映画祭にて鑑賞。台湾金馬奨で最優秀作品賞にかがやいた、82年生まれの張大磊監督の長編デビュー作。昨年の東京国際映画祭で上映されたさいには見逃していた作品で、遅ればせながら見られてほんとに良かった。90年代初頭の内モンゴル、映画撮影所で働く人たちが多く住む団地を舞台にブルース・リーに憧れる1人の少年の夏から秋にかけての日々を“夏休みの日記”ふうに積み重ねていく自伝的モノクロ作品。侯孝賢作品的ノスタルジーと自分自身の夏休みや親戚が大勢集まったときの記憶が混然一体となって切ないほど懐かしい既視感をよびさまされる名作でした。