教誨師

試写にて観賞。故・大杉漣の最後の主演作であり最初で最後のプロデュース作という事実が、製作中にはもちろんそんなことになるとは誰も思わなかったはずだけれど今となっては深く重い余韻を残さずにはおかない、6人の死刑囚と対話し対峙する中でいやおうなしに自分と向き合ってもいく教誨師の物語。とりわけあの犯人がモデルだとはっきり分かる青年のシーンや、最初どんな罪を犯したのか分からなかったのがあるとき急に分かってゾッとする中年男とのシーンは圧巻で、一方では切実だけれどふと笑ってしまうようなやりとりもあり。もしかして演劇が原作なのかなと思ったらそうではなくて、でもだったら逆に舞台劇になってもいいかもしれないという気がいたしました。大杉漣という役者のすでにして不在なることがあらためてとても惜しいです。
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