希望のかなた

先日試写にて観賞。アキ・カウリスマキ監督の最新作で、「ル・アーヴルの靴みがき」に続く難民三部作の2作目。もともとは港町三部作の予定だったようですが、よりテーマを絞ったかたちで、本作の主人公ははるばるフィンランドへ辿りついたシリア難民の男。難民への不寛容と寛容が同居する社会で彼が出会う人々のキャラクターがニヤリッとさせられるカウリスマキ・テイストで、どのシーンもそのまま絵になるような独特の色づかいと構図の妙は本作でもまた。中でも経営不振のレストランが思いつきで和風レストランに鞍替えする場面はピンポイントで日本の観客を笑わせるつもりで撮ったかなと思うほど滑稽なのですが、そんなユーモアを随所にちりばめつつ残酷な現実も突きつけてくる、あたたかくもビターな社会派映画。
公式サイトはこちら。なお、12月の劇場公開に先駆けて国連UNHCR難民映画祭2017(9月30日〜11月12日/東京・札幌・名古屋・大阪・福岡・広島)にても上映されます。