ニッポン国VS泉南石綿村

先日試写にて観賞。山形国際ドキュメンタリー映画祭(市民賞受賞)で見のがしFILMEX(観客賞受賞)でも見そびれてずっと気になっていた、「ゆきゆきて、神軍」の原一男監督の最新作。かつて石綿アスベスト)工場が密集し石綿村と呼ばれた大阪・泉南地区で、工場労働者や近隣住民に健康被害がみとめられることを70年も前から調査・把握していながら放置してきた国を相手に、06年になってついに被害者たちから訴訟(1陣、2陣)が起こされた。地裁で勝訴するも国は控訴、高裁では1陣でまさかの敗訴、2陣では勝訴したがまたしても国は上告、最高裁で最終的に勝訴するまでの8年もの間に何人もの被害者が一人また一人と病気で亡くなっていく、その8年間を追った怒りと痛恨と団結のドキュメンタリー。テーマはヘビーでシリアスながら登場する人々の生身の感情とキャラクターにひきこまれて215分の尺も長いと感じないほど、面白いと言ったら失礼かもしれないけれど面白かった!上映後の監督のお話でも出たんですが弁護士チームも含めて原告団の面々が考え方の違いなどもありつつ最後まで仲間割れすることなく長く苦しい戦いを共にした、その強さとやさしさに頭の下がる思い。
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