迫り来る嵐

こと原題「暴雪将至」。TIFFにて鑑賞。97年の中国、閉塞的な地方都市で連続殺人事件が起こる。工場労働者の余は探偵とあだ名される正義漢で、警察に協力すべく独自に捜査を進め、ついに犯人らしき工場関係者を見つけるが…。董越監督(脚本も)はこれがデビュー作だそうですが充分な力量を感じさせ、ダークなプロットと人物造型をほぼ全編雨のシーンという不穏さがいや増しにして作家性・娯楽性とも上出来のクライム・サスペンスに。段奕宏の相変わらずヒリヒリするようなキャラのただごとじゃなさ、苦み走った男ぶりも堪能。登壇したナマ段さんがまたカッコ良くて滅多に笑わないというかほとんど仏頂面なのがふいにニコッとするのもヤバかった(はあと)。この秋は先の中国映画週間と合わせて短期間に段さんの出演作を3本ガッツリ味わえて個人的に段奕宏祭りでした。