鉄西区 第三部 鉄路

劇場にて観賞。
全三部の中で最も短い(といっても2時間長)の本作は、一部二部に引き続いてさびれゆく街と時代に取り残されたような人々の暮らしを切なさとともに映し出しつつ、これまでで最も内容的に起伏があって、文革の試練を経て現在は社会の最底辺に生きる老杜とその息子たち(とくに長男のキャラが独特)の赤貧洗うがごとき境遇に追い打ちをかけるように彼らが穴倉のような住居すらも追い出されどこかへ消えてしまったと思いきや一発大逆転(とまではいかないけど)の巻き返しを見せる驚きと愉快さ、でもって結局その先なんの説明もなくなぜか「チクショウ」の台詞がつぶやかれるという絶妙なような不可解なような編集に舌を巻き、この映画を見なくてはと思い続けながらついつい後回しにしてきた長年の懸案?をとりあえず果たせたことへのささやかな達成感を胸に劇場をあとにしたのでありました…。