縁路はるばる

こと原題「緣路山旮旯」。一昨日、東京外語大学TUFS Cinema にて。この上映会は初めて行きまして、ウチからはそれなりに遠かったですがもっと近ければ毎回行きたいくらいの、タイトルにならっていえばはるばる行ってよかったチャーミングな秀作でした。「僻地へと向う」のタイトルで先だっての大阪アジアン映画祭で上映されたときには日程があわず見られなかったので今回見られてとてもありがたかったこの黄浩然監督の2021年作品は、香港のIT企業に勤務する目下彼女いない地味め男子がなぜかモテ期に突入し5人の適齢期美女と交際のチャンスが相次いで押し寄せるも彼女たちがみな香港の中心地からどえらく離れたところに住んでいてその都度はるばる送っていったり訪ねていったりする中で自分の本当の気持ちに気づいていく、インディーズな風合いの小品ながら昨年口コミでヒットしたのも納得の香港再発見的ロードムービー。次世代スターと音楽の使い方がさりげなくも魅力的で、かつてさんざん香港に行っていながら行ったことのないこうした場所を今後訪れるチャンスがあればいいなと遠い目になりながらしみじみと味わいました。