フィルム時代の愛

JAIHOにて。チャン・リュル監督の最新作「柳川」の日本公開に合わせて日本独占初公開となった(と思われる)2015年作品。チャン・リュル組ともいうべき「群山」のパク・ヘイルとムン・ソリ、「春の夢」のハン・イェリに加え韓国映画界のレジェンド、アン・ソンギが共演というぜいたくな陣容で、精神病院を舞台にした映画製作現場でのエピソードから始まる4章仕立ての、フィルム映画愛および「愛」そのものについての映画。予想外に実験的な作りに頭上をクエスチョンマークが飛び交う難解というか考えるな感じるんだ系、それでいて随所でじわじわくる不思議な切なさ、とりわけパク・ヘイルの出世作となった「殺人の追憶」をはじめ「ペパーミント・キャンディ」ほか往年の名作韓国映画無声映画として引用されるパートが深く印象にきざまれました。これはもう一度見ないといけないという気がしております(幸いにして配信中は何度でも見られますし)。