逆転のトライアングル

こと英題「Triangle of Sadness」、オンライン試写にて。「フレンチアルプスで起きたこと」「ザ・スクエア 思いやりの聖域」のリューベン・オストルンド監督による、22年のカンヌ、パルムドール受賞作は、トップモデルと二流モデルの美女美男カップルをはじめ豪華客船に乗り合わせたセレブたちと彼らへのサービスに徹する乗員たちの、ある重大なアクシデントを境に始まる予測不能の逆転劇。「フレンチ〜」「ザ・スクエア〜」の笑うに笑えない(でも笑ってしまう)ストレスフルでシニカルな人間ドラマが今回さらに大がかりで戯画的でわかりやすい作りになって、誰しもがなんらかの奴隷(たとえばカネの亡者であったり職業的な隷属性であったり)であることをつきつけられる落ち着かなさと滑稽さにぞわぞわし、中盤のここまでやるか的な修羅場では見る者の覚悟を試されてる感もありの濃密な147分でした。公式サイトはこちら

なお、「ザリガニの鳴くところ」のイケメン&ゴーマン男ハリス・ディキンソンが今回は主導権をにぎられっぱなしの役どころでなんともいえずおかしいのですが、その主導権握る側の彼女役ですばらしく魅力的なチャールビ・ディーンは本作が遺作になってしまいました。。人生何が起こるか本当にわからないですね(TT)  合掌。