8人の女と1つの舞台

えらく時間が経ってしまいましたが先のFILMEXにて鑑賞。原題は「八個女人一台戯」。往年のトップ女優と旬のトップ女優がダブル主演をつとめることになった芝居をめぐる女たちの水面下のデリケートな人間模様を描く本作は、「長恨歌」(05)以来久しぶりの關錦鵬監督の健在ぶりと画面からかもし出される香港の空気が思いがけないほど懐かしく、かつ鄭秀文の芳醇な風格にしみじみと感じ入って、作品の内容がというより(あ、決して作品の内容は二の次ということではありません)自分のアジア映画好きの原点は香港映画だったことをあらためて深く実感。で、ここから先は個人的妄想であることをお断りしておきますが、「長恨歌」で役に入り込みすぎてしまったことがその後何年も第一線を離れていた要因の1つと(あくまで風聞です)されていたサミーへの、この映画は關錦鵬の満を持しての支持表明というか友情の再確認のようにも自分は思えて、勝手にうるっとくるものがありました。。