バンクシー・ダズ・ニューヨーク

試写にて鑑賞。すんごい面白かった。神出鬼没&正体不明のイギリス人ストリートアーティスト、バンクシーがNYのあちこちで毎日1点ずつ作品を発表し話題を巻き起こした1カ月を追った刺激的なドキュメンタリー。ネットに日々アップされるヒントを元にその日の作品を探して狂奔する追っかけたち、くだらない落書きであり芸術などではないとして無視する評論家、オークションに出して高値で売るため(実際に相当な値がつくこともあるそうな)“作品”を勝手に持ち去る人、スプレーで塗り消す人、記念に保存するショップオーナーなどさまざまな人たちの反応もひっくるめて全部バンクシーの作品であり狙いであり楽しみであり同時に皮肉でもある放置感と、“作品”を通してしばしば提起される現代的・政治的・社会的メッセージの痛烈さがなんともクール。何よりグラフィック自体がかっこよくて、不法でゲリラ的な落書きだとしても自分がその壁なりシャッターなりの管理者だったら速攻で塗り消したり撤去したりしないのになぁと思いました。
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