神に誓って

イスラーム映画祭2015にて鑑賞。平日昼間なのにガチで満席、そして満席も納得のすごいパキスタン映画でした。前知識なく見たこともあってほとんど呆然とするほど衝撃的にして感動的。あとから知ったのですが、社会現象を巻き起こした大ヒット作だそうで、原理主義者から穏健派まで家族の間でさえ信仰の強さや教義の解釈、非ムスリム的な考え方への許容度が異なるムスリム社会の暗部と良識の両極端なまでのハバ、それに対する外部者の理解と偏見の両極端なまでのハバを国内外のさまざまな角度からうつし出したパワフルな大作。これほどのはっきりしたテーマ性の前にはとりあえず映画的完成度がどうとかではなく(とはいえ完成度も高く、だからこそ大ヒットしたのだと思うけれど)とにかくこの映画を見ること、見て知ることの意味をひしひしと感じ、とりわけ劇中のあるシーンでのUSAとUSAMAの附合性にはトリハダでした。2007年の作品ながら今もたぶんこれからも見続けていくべき映画であり、映画祭が開催されたことによって全く知らなかったこの作品を見ることができてよかった。