恐怖の報酬 オリジナル完全版

昨日試写にて観賞。アンリ・ジョルジュ・クルーゾー監督による53年のフランス映画をウィリアム・フリードキン監督がリメイクした77年作品。どちらも自分は見てなくて、77年版が78年に日本で公開されたさいの強烈なインパクトのタイトルとポスター、ニトログリセリンを運ぶ男たちという設定だけはくっきりと印象に刻み込まれておりました。でも当時の公開バージョンが監督に無断でオリジナルを30分もカットしたものだということや、複雑な権利関係のせいで長らく再上映やDVD化もままならなかったというのは今回初めて知った次第。その、監督の言葉を借りれば(プレスより)「36年に渡り、でたらめにカットされたヴァージョンが批評家や映画製作者の記憶に残り続けてきた」、幻の作品とも呪われた作品ともいえるオリジナル版が2013年にようやくデジタル・リマスター化され、ニッポンでも公開の運びに。。という経緯だけで1本の映画になりそうないわくつきの経典的作品を結果的に自分が本来あるべき姿で見ることができた幸運をかみしめております。めちゃくちゃ傑作であります! こういう出会いがあるたびに思うんですが、やっぱり長生きしたいよなと。自分の人生の3分の1くらいは映画でできてるよなと。。最果ての地に流れ着いたそれぞれ前科持ちの4人の男が再起をかけて命がけの任務に志願する、そこからの地獄絵図を、なんならCGで作れちゃう今の時代に観られることがありがたく、また4人のメインキャスト(ロイ・シャイダーが超かっこいい!)が4人ともすでに亡いことを思うと何か遅ればせながらご供養のような気持ちにもなったのでした。
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