ある海辺の詩人

先日、試写にて観賞。
老いた漁師と中国人女性の友情以上愛情未満のふれあいを描く、美しいイタリア映画。時代に取り残されたような海辺の小さな町の寒そうなたたずまい、初老の男たちのたそがれた味わい、そして趙涛の中国映画(ほぼイコール賈樟柯映画)におけるイメージの延長にありつつもっとやわらかで聖女のような存在感が印象的で、水に浮かべる燈明とか蛇頭の手先みたいな老板とかなぞめいた太極拳少女(少女じゃないかも。年齢不詳)とか欧米人のイメージする中国っぽい描写が微妙に気になったりもしたんですが、それがリアルかどうかより余白や行間に想像が広がっていくような詩的かつ幻想的なアート作品でした。
公式サイトはこちら