フランス

日劇場にて。「第4回映画批評月間 〜フランス映画の現在をめぐって〜」という特集上映のプログラムの1つで、劇場サイトによると今回は〝フランスの人気カルチャー・マガジン雑誌「レザンロキュプティーブル〟の編集長ジャン=マルク・ラランヌ氏によるセレクション〟とのこと。例によって前知識もほぼなしのままブリュノ・デュモン監督の最新作(2021年)で主演がレア・セドゥとくれば見るっきゃないと即決した次第ですが、どしろーとな感想をひとことでいうと「レア・セドゥ無双!」映画でした。フランスというタイトルはレア・セドゥ演じる主人公の名前フランス・ドゥ・ムールから。と同時に、売れっ子ジャーナリストにしてTVでも街でも常に見られ写真を撮られしばしば物議をかもすセレブであるフランス(主人公)の言動がそのままフランス(国名)のジャーナリズムあるいはメディアへの風刺にもなっている、ぶっとんだ悲喜劇、というか笑わされたそばから凍りついていくような挑戦的作品。強烈な勝負服と厚化粧のレア・セドゥあり、メンタルボロボロの消え入りそうなレア・セドゥあり、とにかく出ずっぱりのレア・セドゥのオーラに圧倒される134分でした。