プティ・カンカン

加入したてのJAIHOにて。北フランスの海辺の村で謎の猟奇殺人事件が起こり、事件の捜査にあたる憲兵隊長とその部下の行く先々にガキ大将のカンカンと仲間たちが興味津々でついていくうち、第2、第3の事件が起こる。ブリュノ・デュモン監督の2014年作品で、3時間強の尺はめずらしいなと思ったらもともとはTVシリーズながらシネマスコープで撮影したものの映画版だそうで、例によってほぼ何も知らず評判につられて見まして、ユーモアとペーソスと風刺と無常観がまじりあう不思議な夢の世界にほうりこまれてさめても夢の続きのような気分になる驚きの逸品。主人公のプティ・カンカンと憲兵隊長をはじめ大人も子供もことごとくツラ構えが独特で存在感がはんぱなく、みな現地でオーディションしたノンプロというのがこれまた感服ものでした。