ガンパウダー・ミルクシェイク

日劇場にて。12歳のときにいなくなった母と同じく秘密組織の暗殺請負人になったヒロインがロシアのマフィアと組織の両方から追われる羽目になり、図書館で働く元殺し屋の女性たちの力を借りて反撃に転じる物語。何度も見てきた予告編の段階からもうぜったい好きなやつ!と確信と期待でいっぱいでしたが実際そのとおりでこれが単独初監督作だというナヴォット・パプシャド監督(脚本も)の好きなものやりたいことがぎっしり詰まった(にちがいない)オタク的でカルト的でありつつちゃんとメジャーなクールでキッチュで容赦ない血の気の多さにしびれました。ダイナーが出てくるアメリカっぽさ、古色蒼然たる図書館のイギリスっぽさ、現代欧米武侠という風情のウェスタンっぽさ、劇中カレン・ギランの着ているTシャツの日本っぽさ(マシュマロなんとかと書いてあった)等々いろんなテイストがミックスされた楽しさ、組織の上層部のみんなブラックスーツを着こなした爺さんぞろいでいかにも時代遅れなのと女子チームのLGBTフレンドリーである対照性も印象的。近年、オール女子アクション映画が当たり前に作られて大物スターたちががんがん参入してあばれまくってくれる嬉しさといったらないんですが、この映画でとりわけテンション上がったのは瞬間的なかっこいいショットをつないで決めポーズや決め顔を編集で見せるだけでなくかなりの長回しが見せ場になっているコレオグラフィーの本気度。我らがアクションクイーン楊紫瓊ならまかしとけ案件かもしれないけれどカレン・ギラン以下全員ちゃんといい仕事をしていて、ぐっときました。

公式サイトはこちら