香川1区

日劇場にて。「なぜ君は総理大臣になれないのか」(20)のヒットによりはからずも知名度・好感度があがった(はずの)立憲民主党小川淳也議員に再び密着し、彼が2021年総選挙で地元香川1区での悲願の当選を目指した奮闘の記録。ライバルの平井卓也元デジタル改革担当大臣は四国新聞のオーナー一族をバックにあれこれの疑惑や失点をものともせず鉄壁の地盤で連勝してきた絵に描いたような自民党議員ながら、「なぜ君〜」で小川議員のクリーンなイメージが認知されたことで苦戦を強いられ結果的に落選(ただし比例復活)するのですが、それを知って見ていても実にスリリングで胸アツで笑いどころも多々あり、時にむかつく場面(街頭演説を撮影するーー違法ではないーー本作スタッフに威嚇的妨害を繰り返す平井陣営側の人物とか、裏取りもせず小川候補をくさす記事を書く四国新聞記者とかとか)も含めて全編目が離せない面白さ。前作があまり話題にならなかったら撮られることもなかっただろうこの続編がちゃんと世に出て再び話題になっていることに、なんだかんだいってもぶあつい自民支持層と投票率の低さで昭和的強権政治が続く現況の中でも一抹の?希望を感じることができ、他地域でもこんなドキュメンタリーを作る動きができたらなとか、想田和弘監督のこれまた選挙ドキュメンタリーの痛快作(理想と現実のギャップにどんよりもするけれど)「選挙」(07)「選挙2」(13)、杉岡太樹監督の「選挙フェス」(14)、原一男監督の「れいわ一揆」(19)といった選挙モノに特化した選挙映画祭とかぶちあげてみてほしいなとか思った次第です。

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