チリの闘い

劇場にて鑑賞。世界で初めて選挙で選ばれ社会主義国家を打ち立てたチリのアジェンデ政権が、民衆とりわけ労働者階級の絶大な支持を受けながらもマルクス主義を嫌悪するブルジョワジーや軍部を抱き込んだアメリカの裏工作によるクーデターを受けてあえなく瓦解するまでを徹底した現場取材でフィルムに焼き付けた、驚きや昂揚や不安や怒りや悲しみがないまぜとなってずっしりとあとをひくトータルで263分、三部構成のドキュメンタリー(途中入れ替えあり)。最近「真珠のボタン」や「光のノスタルジア」が日本でも公開されたパトリシオ・グスマン監督の、伝説の傑作を遅ればせながら見ることができてよかった。ちなみにアジェンデ大統領を追い落として権力を握ったピノチェトの時代は「真珠の〜」や「光の〜」のほか目下公開中の「コロニア」や何年か前に公開された「NO」の背景でもあり、武器を持つ者が武器を持たない者を虫けらのように弾圧する歴史が今も昔も繰り返されてやむことがない人類って一体なんなんだろうと…。
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