三度目の、正直

先日、試写にて。濱口竜介監督の「ハッピーアワー」で共同脚本とプロデュースをつとめ、黒沢清監督の「スパイの妻」には濱口監督とともに共同脚本で参加した野原位監督のデビュー作。バツイチ同士で結婚した夫から別れを切り出され、家を出た日に記憶喪失の少年と出会って実家にひきとり擬似親子関係を結ぶヒロインと、その弟の妻で夫と息子の世話にあけくれるうちいつしか心を病んでいくもうひとりのヒロイン、2人の女性を軸に複数の夫婦や親子のあやうく繊細な関係性を描いた、もう1つの「ハッピーアワー」とも思える肌ざわりの群像劇の秀作。役者が本業でない人も含めて「ハッピーアワー」に出ていた俳優たちが何人も参加して「ハッピーアワー」とはだいぶちがうキャラクターを演じ、中でも主演の川村りらは4人のヒロインの1人を演じた「ハッピーアワー」をきっかけに映画の道に進んだもようで本作では共同脚本も担当というただならぬ才能を見せて印象的かつ魅力的でした。

公式サイトはこちら